見た目の割に超凶悪【ダブルワイルドマウス】inナガシマスパーランド

2018年7月29日



こんにちは、ricebag(@ricebag2)です。

この記事では、三重県桑名市にある遊園地「ナガシマスパーランド」のワイルドマウス型ローラーコースター「ダブルワイルドマウス」のレポート兼レビューをお届けしていきます。

見た目はよくあるワイルドマウス型のミニコースターですが、実は日本ではナガシマスパーランドにしか現存しない珍しい機種。

横に振られるだけでなく、ドロップも重視したスリリングなタイプですので、大人でも十分に楽しめるアトラクションですよ!

 

ダブルワイルドマウスの評価

 

爽快感:      ★★☆☆☆

振動の少なさ:   ★★☆☆☆

スリル:      ★★★☆☆

コースレイアウト: ★★★☆☆

楽しさ:      ★★★☆☆

総合得点:     55点

 

 

1. ワイルドマウス型コースターの特徴とダブルワイルドマウスの概要

観覧車から見たダブルワイルドマウス。左右にうねうね曲がるヘアピンカーブが、ワイルドマウス型の代名詞!

1.1 ワイルドマウス型コースターの特徴

ローラーコースターの形態の1つとして、ワイルドマウスと聞いてピンときますでしょうか。

ミニコースター的なライドで、180度のヘアピンカーブを繰り返し通過し、横に振り落とされるようなスリルを体験するタイプのコースターです。

この形式ができあがったのは、日本最古の現存コースター、花やしきの「ローラーコースター」ができるより前、1950年前後のことだと思われます。

ちなみに、現存最古のワイルドマウス型は1955年製。アメリカはコロラド州で元気に営業中です。

国内最古のワイルドマウス型は、数字が出ているものだと宮崎市フェニックス自然動物園「マッドマウス」で1971年製。国産で優しめのコースレイアウトになっています。

おそらく三精輸送機製、(現)浜名湖パルパルの「ジャングルマウス」が1960年台に設置されているのではないかと思いますが、年代表示がないので詳細は不明です。

 

一口にワイルドマウス型と言っても、実は多くのメーカーが製作しているために、実に様々なタイプがあります。

国産だけでも明昌、三精、泉陽、トーゴなどの他に上記宮崎のものを製作した谷口製作所、ジョイポリスのレイルチェイス・ザ・ライドなどを製作した眞砂製作所などがあります。

海外まで含めると、もう数え切れないほど。

さらにさらに、ライドも横二人乗りのものから、横二人乗り×2列、縦二人乗り、一人乗りなどなど。ライド自体が横回転するタイプもありますので、本当に様々なバリエーションがあるんです。

 

国内ですら全くおなじコースレイアウトのものに出会うことのほうが難しい、ワイルドマウス型コースター。

そんな中でも、ナガシマスパーランドのものはなかなかレアなタイプなんです。

 

1.2 ナガシマスパーランド「ダブルワイルドマウス」の特徴

レアだという1つのポイントは、まずはMack Rides社というドイツの会社のものだという点。

日本ではUSJの「スペース・ファンタジー・ザ・ライド」や、としまえんの「ブラワーエンジン」など比較的おとなしい部類のものしか見かけませんが、実はこの会社、かなりの過激派。

垂直に近いドロップを多用したり、放り出されるようなループが多数あるコースターを作ったり。

近年では、ライド自体がスピンするタイプなのに、高さが30 m近く、ドロップは垂直落下、途中にループが3つもあり、さらには急加速エレメントが2つなんていう超過激コースターを製作しています。

おなじドイツのメーカーで、日本では富士急ハイランドの「高飛車」やよみうりランドの「スピンランウェイ」、東京ジョイポリスの「撃音ライブコースター」などで知られるGerstlauerもなかなかの過激派ですが、Mack Ridesはさらにネジが一本外れているようなぶっ飛び具合です。

 

このメーカーのワイルドマウスタイプを設置したのは、日本ではエキスポランドとナガシマスパーランドだけ。

コースが鏡合わせの関係になっているものを2つ並べたのは、ナガシマスパーランドだけなんです。

世界でもミラータイプを並べたのは、オランダのパークとナガシマの2箇所だけ。オランダのものは解体済みですから、現存唯一ということになります。

繁忙期以外は片側のみで運用していますから、見た目以外にほとんど意味はないのですが……。

ちなみに左側のものが一般的なタイプ。右側はミラータイプにしか存在しない珍しいものです。

ちょっと話はそれますが、実はドイツのMaurer社も全くおなじレイアウトでコースターを製作していて、こちらは右タイプと左タイプをほぼ半々に製作しましたので、実はコースレイアウトだけならそんなに珍しくはありません。Mack Rides社製に限ると珍しい、というお話。

 

Mack Rides社のワイルドマウスタイプには、大型遊園地に設置する、より凶悪なタイプもあるのですが、ナガシマ版はごくごくシンプルな量産バージョン。

とはいえ、Mack Ridesらしい激しいドロップのある、スリル重視のコースレイアウトになっています。

細い鉄骨を多数組み合わせているタイプですので、コースターが通過するたびにレールごと振動する恐怖も味わえます。

 

 

2. ダブルワイルドマウスの乗車レポート

ダブルワイルドマウスの入り口。昔ながらの遊園地風装飾が楽しげで良いですね。そのテーマに合わせてチケット販売ブースがありますが、実際には左右振り分け以外の目的では使われていません。

横2名×2列のコンパクトなライドに乗り込んだら出発です。

左右どちらに乗っても大差のないタイプですが、どちらかと言うと左側は左カーブ、右側は右カーブが多い構成です。左側のコースなら右側の座席、右側のコースなら左側の座席が外側ですので、体幹に自身のある方がそちらの席へ。

以下のレポートは、右側のコースに乗車した際のものです。

 

ごくごく普通のチェーン巻き上げで14 mの高さへ。

少し勢いをつけて右に曲がったら、180度のヘアピンカーブを左右に3回ずつ、合計6回通過していきます。

高さに結構な差をつけていますので、かなりスピードが出てなかなかスリリング。細い鉄骨のコースター特有の壊れるんじゃないかというような振動もあって、かなりの恐怖感です。

 

連続ヘアピンを抜けたら、スピードを付けつつ右に270度曲がっていきます。

ここも含めて、コース上にカント(カーブに合わせてレールを傾けて、かかる衝撃やGを和らげるもの)などという甘やかしは一切ありませんので、曲がるたびに衝撃と大きく横に振られる感覚を味わえます

270度曲がったあとは、少し軌道を修正するだけでなぜかまっすぐ。このコースター唯一のブレークポイントです。

 

さらに右に90度カーブを2度繰り返したら、ようやくファーストドロップ!

これがえげつない。

ワイルドマウス型としては大きな5 m近い落差を、かなりの斜度で下っていきます。

乗っていると坂を下るというより、崖から落っこちる感覚。見ていても、机の端に置いてある消しゴムが落下するような、そんな落ち方です。

「落下」感って、何両も連なる通常のコースターより、1両編成のミニコースターのほうが圧倒的に高いんですよね。このため小さなドロップでもかなりの迫力になってきます。

ダブルワイルドマウスの結構えげつないドロップ。ワイルドマウス系の中ではトップクラスのスリルです。

ちなみにここで最高速度が出ると思われるのですが、その速度がなんと45 km/h。中型コースター並のスペックです。

コースターが得意ではないお子様にはかなりの恐怖だと思われますので要注意。

 

ファーストドロップから坂を登ったあとは、再び右に90度×2回のカーブ。

その後、2回のドロップ。コースのウネウネ具合が見事なえげつなさです。

「浮き」はほとんどありませんが、やはりこちらも落下感が見事。

奥に見える上下にうねうねしたコースがセカンド・サードドロップ。こちらもかなりの落下感です。

 

もう一度右に90度×2回のカーブを超えたら、ダメ押しの2回のドロップを経てゴール。

最後は流石に迫力も落ちてきてしまっていますが、それでも怒涛の畳み掛け。

 

 

序盤のワイルドマウスらしい連続ヘアピンもなかなかの威力ながら、後半の連続ドロップがとにかくえげつない。

実際に乗車してみてこのドロップに差し掛かると、「え?」っと思うくらいの強烈な落差と角度です。

このサイズのコースターにこの規模のドロップがある恐怖感は、実際に乗車してみないとわかりませんので、是非体験を!

 

 

3. 次に読むのにオススメの記事

ダブルワイルドマウスは風には比較的強いのですが、雨が降ると止まってしまいます

各アトラクションについて、こうした悪天候に強いかどうかの情報を以下のページにまとめてご紹介しています。特に遠方からお出かけの方、特定の日程でしかナガシマに行けない方は、是非参考にしてみてください。

 

ナガシマスパーランドにあるアトラクションのご紹介は、以下の記事で行っています。

大型コースターについては別記事へのリンクもありますので、ぜひご参照ください。

 

その他、国内外の遊園地に関する記事、ローラーコースターに関する記事は以下のページにまとめています。

こちらからご希望の遊園地やコースターをお選びいただき、個別記事をご覧ください。