ストーリーも動きも日本のものとはぜんぜん違う! ― ハリウッドスタジオのタワー・オブ・テラー

2017年5月31日

WDWハリウッドスタジオのハリウッドタワーホテル外観

 

2.1 最初のフロア

さて、エレベーターが2階に到着し、ドアが開くと目の前には客室エリアが広がっています。

そこに、いなくなったはずの例の5人の影が浮かんで見えて…

WDWハリウッドスタジオ、タワー・オブ・テラーの幽霊
客室フロアに現れる幽霊。足が地面についていないですし、白っぽい見た目が怖い。

彼らは「おいで、おいで」と手招きをしています。

トワイライトゾーンに来いよ、ということでしょうか。

なんとも不気味な演出のあと、5人は再び見えなくなってエレベーターの扉が閉まります。

 

2.2 トワイライトゾーンへ

再度エレベーターが上昇し、再び扉が開くと……

到着したのは明らかにホテルの内部ではありません。客室もなければ、サービスエリアでもない。

これはもしや、例の存在しないはずの13階ということなのでしょうか。

空中に浮かぶ調度品や、うねうねと曲がった鏡のある不気味な空間に目を取られていると、なんとエレベーターが前の方に動き出します!

 

TDS、アナハイム(撤去済み)、パリにあるタワー・オブ・テラーでは、スタート直後にほんのちょっとライドがバックし、終了直前にほんのちょっと前進しますが、HS版はそんなものではありません。

なんと、建物を縦断するほどの距離を前進するのです。

しかも、ここで2本のエレベーターシャフトから上がってきたエレベーターは1つの進路へとつながるという複雑な構成。

 

話を演出内容に戻しましょう。

どう見ても異空間にしか見えないところを進んでいると、我々が進んでいく様子が歪められて空中に映し出されたり、かなり不気味な様相を呈してきます。

それでも吸い込まれるように前方に進むエレベーターのまわりは突然明かりが消えて、上も下も前も後ろも、すべてに星が灯ったような状態に。

5人の異空間にいる人々に引き込まれた結果、どうやら完全にトワイライトゾーンに引きずり込まれてしまったようです。

トワイライトゾーンに引き込まれたと思ったら、突然行き止まりの扉が開き、我々のエレベーターは再びエレベーターシャフトの中へと進んでいきます。

 

2.3 アトラクションのハイライト、急上昇・急降下

位置的には、ここはかつて5人が神隠しにあったエレベーターシャフト

しかもトワイライトゾーンの中なわけですから……

などと考えていると、エレベーターが急上昇!

その後、何度も急上昇急降下を繰り返します。

おばけにいたずらされているかのように、激しくフワフワと上下したり、フェイントがかかったり。

乗る度にどうなるのかわからない、上下の幅やタイミング、落下回数までもがランダムな仕組みになっています。

 

どんな動きでも共通するのは、最上部にある窓から外を見られるタイミングがあるということ。

そのタイミングでライドフォトの撮影が行われます。

WDWハリウッドスタジオ、タワー・オブ・テラーのライドフォト
ライドフォト。一番上に上がって停止する直前に撮影されますので、タイミングがおもったより早いです。要注意!

ちなみにこのライドフォト、Memory Makerを購入すればいくつでもダウンロードできるわけですが、その中に動画も含まれています。

動画では簡単なストーリーと、エレベーターが最上部まで浮き上がってから落ちていくまでの様子が記録されていますので、ものすごく記念になります。ぜひダウンロードを!

 

2.4 トワイライトゾーンから脱出

大小合わせて4~7回ほどドロップを繰り返したあと、エレベーターは地上へと落下…ではなく、ゆっくりと地上に到着します。

どうやら無事にトワイライトゾーンを脱出して、現実世界に戻ってこられたようです。

地上に到着するとエレベーターはバックを始めます。その周囲には、ちょっと不気味な調度品が。

トワイライトゾーンへと消えた5人組が落下したはずの場所ですから、彼らの持ち物とホテルの備品が混ざっているのでしょうか。演出的には、ここがトワイライトゾーンから現実世界へ戻るつなぎ目の役割を果たしているように思えます

ちなみにここに置かれているもの、左右のシャフトで異なります。分岐はキューラインが2つに分かれた場所ですので、2回乗られる方はぜひ両サイド試してみてください。

 

しばらくバックすると、ライドは90度横回転し(!)、少し前進します。

前後に動くだけでなく、回転までするとは驚き。これは床が回転する、立体駐車場の前にあるようなターンテーブルが仕込んであるのではないかと思いますが、未確認です。

その後、目の前のドアが開いてアトラクションは終了。

ライドを降りると、ライドフォトが表示されるエリアと、タワー・オブ・テラー専門ショップを通り抜けて外に出られます。

ショップでは結構ガチなホテルガウンやバスタオルなどが販売されていて、まるでホテルのショップのよう。もちろん、Tシャツやピンズなどの定番商品もありますよ。

 

sponsored link

 

2.5 HS版はなぜ他の地に作られなかったのか

さて、ここまでで述べてきた「ライドの前進、後退」、「回転」あたりに、アナハイム以降のタワー・オブ・テラーではHS版が採用されなかった理由がありそうです。

このアトラクションが通るルートを、横方向の断面から見た図で説明してみます。

タワー・オブ・テラーのルート比較
ハリウッドスタジオ版と東京ディズニーシー版のタワー・オブ・テラーのルート比較。断面図です。ライドには図の左側から乗り込むことになります。

HS版では、乗車位置で乗車し、ちょっと上昇して演出1、さらに上昇して前方向に進みながら演出2を体験します。その後、最初とは異なるエレベーターシャフトでアップダウンをして、地上に降りてバックしながら演出3、乗車位置とは異なる降車位置で降車となります。

一方のTDS版では、乗降位置が2フロアに分かれています。どちらも同じエレベーターシャフトにつながっていて、ちょっとバックしてシャフト内に入ります。上昇しながら演出1,演出2を見て、そのエレベーターシャフト内でアップダウン(ツアーAだけ、演出1と演出2の上下関係が逆になります)。最後はちょっと前進してもとの乗降位置に戻ります。

 

この2つの方式、まずは必要なスペースが全然違いますよね。

HS版は明らかに取るスペースが多いです。

このアトラクションのためにエリアを拡張したHSとは違って、他のパークはどこもスペースに苦慮することになりますから、設置スペースの小さいバージョンが採用されがちなのは当然かもしれません。

 

アトラクション自体のコストも問題になります。

HS版では、まず演出1,2部分用のエレベーターが4シャフトあります。さらに、ドロップ用のシャフトが2本。合計6機のエレベーターが存在しているわけです。乗車位置は4箇所、降車位置は2箇所。

一方で、TDS版は演出・ドロップ兼用のエレベーターが3機。それぞれのエレベーターシャフトに対して2箇所の乗降位置がありますので、合計で乗降位置が6箇所あります。

HS版は乗降位置が異なるというメリットを考えても、両者の運用効率に大差はないと考えられます。

ということは、運用効率が変わらないのにエレベーターシャフトの数を半分にできるということ。さらにライドの数も、おそらくHS版は8~10機あるのに対し、TDS版では6機に削減できています。

これはコストに大きな差がつきます。さらに、TDS版ではややこしいターンテーブルや、2つのコースが1つに交わるようなこともありませんので、システム的にもシンプルなはず。

HS版のダークライドとして圧倒的に高い演出を捨ててでも、コストと設置面積の利をとった結果がTDS版、アナハイム・パリ版なのでしょう

ちょっと寂しいような気もしますが、それがディズニーの選択ということなので仕方ありません。

 

アナハイム版はすでに営業を終了してしまいましたので、HS版もいつなくなるともわからない状況です。

興味をお持ちの方は、是非とも早いうちにWDWに足を運んでみてください。

 

 

スポンサーリンク

3. 次に読むのにオススメの記事

このあとは、グレートムービーライドへと向かいました。

様々な名作映画の世界に入り込んだかのような感覚になる乗車時間20分の超大規模ライドで、ショー的な演出も含めたこのパークを代表するライドです。

詳細は以下の記事でご紹介していますよ。

 

WDW旅行2日目の詳細記事は、以下のページにまとめています。

この日のその後の行動などについても、そちらからご覧いただけます。

 

その他、WDWに関するすべての記事は以下のページにまとめています。あわせてご覧ください。