飛行機の機内で映画や音楽を楽しんでいると難聴になる!? ― 騒音低減効果のあるイヤホンやヘッドホンを持参しよう!

2017年1月3日



こんにちは、ricebag(@ricebag2)です。

長く退屈な飛行機での旅。

じーっと座席に座っているのは辛いものですから、座席備え付けのエンターテイメント機器で映画を観たり、音楽を聞いたりしてしまいますよね。

特に最近は、BDやDVD発売前の最新の映画を観られたりしますから、むしろ国際線に乗る際にはこうした映画が楽しみ、という方もいらっしゃるかもしれません。

ですが、飛行機の機内で、シートポケットに置いてある飛行機備え付けのヘッドホンなどで映画を観たり音楽を聞いたりしていると、難聴になってしまう可能性があるんです。

せっかくの楽しい旅行で、思いもよらぬところで難聴になってしまうなんて避けたいところですよね。

今回は、飛行機の機内で難聴になってしまわないためのイヤホン選び、ヘッドホン選びのコツをご紹介していきます!

 

 

飛行機内の騒音はかなりのもの

 

機内の騒音レベル

以前、快適に眠るための耳栓についての記事でも書きましたが、飛行機内での騒音はかなりのレベルです。

一昔前の飛行機ですが、ボーイング社のB767 という航空機が就航した際、機内の静寂性を売りの1つにしていました。

その時の資料では、機内の騒音レベルはおよそ80 db。

 

50 dbを超えると住宅街では騒音になってくるレベルとされていまして、睡眠への影響が出てきます。

70 dbを超えるとものごとに集中することができなくなってくるレベル。

80 dbというのは古い地下鉄の車内と同等ですので、相当な騒音です。

 

それでも、昔の航空機と比べれば大分良くなったとして売り文句の1つになっていたわけです。

飛行機の機内がいかにうるさいか、ご理解いただけましたでしょうか。

 

たとえ、離陸からしばらくたって飛行機の音に慣れてきたとはいっても、大きな音がなっていることに変わりはありません。

飛行機に乗っている間中、静寂が訪れることはないのです。

 

騒音の中で音を聞くのは危険

さて、電車を例にとって考えてみましょう。

地下鉄であったり、電車がトンネルの中に入ったりすると、車内のアナウンスや隣の人との会話が聞こえにくくなった、という経験はありませんか?

周りの音がうるさくなるので、それにかき消されてしまって小さな音は聞き取れなくなってしまいますよね。

 

一方で、そんなうるさい環境でも、大きな声で話をしたり、車内アナウンスのボリュームが上がれば聞き取れるようになるのではないでしょうか。

つまり、逆に言えば大きな騒音のもとでは、大きな音でないと聞き取ることができない、ということになるんです。

 

では、この話を飛行機の機内に当てはめてみましょう。

飛行機の中ではかなり大きな騒音がることは、上にも述べたとおりです。

そんな中で、映画を観ようと思ったとします。映画は通常のテレビと比べてもボリュームのメリハリが効いていて、大きな音は大きいですし、小さい音は本当に小さいんです。

こうした映画の小さい音を聞こうと思うと、その小さい音が周囲の騒音に負けないくらいまでボリュームを上げなければなりません。

 

飛行機の中に無料で置いてあるヘッドホンは、通常のエコノミークラスの場合には大抵、騒音がそのまま聞こえてきてしまうタイプのものです。

耳に乗せるだけだったり、耳たぶにはめ込む形のイヤホンだったりがほとんどですので、騒音を低減する効果がありません。

ということは、最大80 dbという騒音に負けないほどの音量で映画を見なければならない、ということになってしまうんです。

 

難聴には2種類ある

難聴には、急性の難聴と慢性の難聴があります。

急性の難聴は、凄くうるさい環境にいると、その後しばらくは音が聞きにくくなるような現象で、大抵の場合は回復してくれます。

一方で、慢性の難聴は音を聞き続けているといつかはなってしまうもので、こちらは回復しません。

 

大きな音を聞き続ければ聞き続けるほど、慢性の難聴になってしまう可能性が高まるのです。

例えば、年を取ってくると高い音が聞き取りづらくなる、という話を聞いたことがありませんか? あれも慢性の難聴の一種です。

高い音のほうが、比較的ダメージを受けやすいので、年令を重ねるとともにその高さの音だけ難聴になってきてしまうんです。

 

大きな音を聞き続けると難聴になってしまうわけですから、できるだけ大きな音を聞くのは避けたいところです。

急性の難聴になるのは大体100 db程度のボリュームの音を聞いたときだと言われていますが、慢性の難聴には「これ以上の大きさの音」という明確な基準はありません。

ただひとつ言えるのは、大きな音を聞けば聞くほどダメージが蓄積されていく、ということなんです。

 

80 dbという騒音の環境下でそれに打ち勝つようなボリュームで映画を見ることは、難聴を大きく進めてしまう可能性を秘めているんです。

 

 

外からの音を遮断できるようなヘッドホン、イヤホンを使おう!

 

ということで、できるだけ小さな音でも聞き取れるようにしたいのです。

そのためには、外界からの騒音を低減してやる必要があります。

何かで音を遮ってやって静かな環境になれば、小さな音でも聞き取ることができるようになります。

イヤホンやヘッドホンには、音を出すだけではなく、周りの音を遮る機能を持ったものもありますので、そういったものを選ぶようにしましょう。

以下では、オススメの商品をご紹介しています。

 

耳栓タイプのイヤホン

まずは、単純に耳栓と同じようにして音を遮ってくれるタイプのイヤホンがあります。

耳の穴の中に挿入するタイプで、「カナル型」というタイプです。

 

ただ、通常のカナル型のイヤホンは、耳の穴にそっと当てるだけで、あまり外の音を遮ってくれないものが多いです。

キノコ型のチップが先端についていますが、通常のものはそれが太く、あまり奥まで入らない上に、強く耳に入れると耳が痛くなってしまうんです。

 

そんな中、補聴器メーカーがノウハウを活かして作り上げた、高い遮音性と驚くほどの高音質を両立しているのが以下の製品。

すでに、発売から20年近い年月が経過していながら、デザインのマイナーチェンジを繰り返しつつも未だに売れている驚異の機種です。

見た目はシンプルかつチープですが、遮音性は素晴らしいの一言。

耳にぐいっと押し込むと、「こんな奥まではいってしまって良いのだろうか?」と不安になってきますが、本当に鼓膜に当たるんじゃないかという恐怖心を持ちつつもさらにグイグイ入れていって、限界まで挿入します。

そうすると、ケーブルがこすれることによるタッチノイズを除いて、あたりは本当に静寂に包まれます。

音楽を聞いていれば、近くで声をかけられても気付かないくらい。

ケーブルが擦れる音については、まずはケーブルを耳のまわりに引っ掛けて、さらに付属しているクリップを襟元にでも留めれば解決します。

 

音質も凄まじい。とても2万円台で売られているとは思えないほどの音で、低域から高域までかなりフラットにまんべんなく音を出してくれます。

艶や柔らかさにはやや欠けますが、全域でハリがありつつきれいな音を聞かせてくれますよ。

まだ高級機が少なかった2000年台前半には、高級ヘッドホンとしてマニアの間で圧倒的な人気と憧れを集めていたSTAXというメーカーの製品にも例えられていた逸品です。

 

難点は、上でも述べましたが耳への装着に癖があること。

かなり耳の奥までしっかり挿入しないといけませんので、耳に違和感を生じる方、耳が痛くなってしまう方も多いかと思います。

そういった場合には、遮音性にはやや劣りますが、フォームタイプのイヤーチップを取り付けることで、耳への違和感はかなり改善します。

僕も10年以上前に購入して未だに使い続けている品ですので、飛行機で使うという目的のイヤホンとしては圧倒的におすすめです。

このイヤホンを使っていると静寂になれてしまいますので、トイレに立つためにイヤホンを外すと「こんなに大きな騒音が鳴っていたんだ」とビックリしますよ。

 

ちなみに、飛行機で使うためには変換アダプタが必要になる場合があります。

あまりイヤホンなどには付属しないタイプの変換アダプタですので、飛行機にマイイヤホンを持参される際には以下のアダプタをお忘れなく。

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イヤーマフタイプのヘッドホン

こちらはあまり使いたいという要望は少ないかもしれませんが、どうしても耳にイヤホンを入れることに抵抗があるという方は、大型の遮音性の高いヘッドホンを使うという選択肢もあります。

工場などの現場で使われているような、大きなヘッドホンのような騒音低減機器は、「イヤーマフ」と呼ばれます。

これと同じような遮音効果があり、かつヘッドホンとしての機能も持った、ヘリや小型機のパイロットが付けていそうなヘッドホンも売られているんです。

 

でかいし重いしであまりおすすめはできませんが、以下のような製品です。

元になったモデルの発売はなんと1970年台。すでに50年近くが経過した今も売られ続けている逸品です。

 

騒音をアクティブにキャンセルするタイプのヘッドホン、イヤホン

単に耳栓のようにして音を遮るだけでなく、自ら騒音を打ち消すタイプのヘッドホンやイヤホンがあります。

ノイズキャンセリング(NC)と呼ばれる機能がついた製品で、マイクを搭載していて周囲の音を拾い、それを打ち消すような音を出してくれることで、結果的に耳には騒音が届かない、というものです。

 

なんといってもメリットになるのは、適当に装着したとしてもある程度の騒音を低減してくれるということ。

人によっては鼓膜に圧力を受けたような感覚になるという方もいらっしゃいますので、購入の前に家電量販店などで試してみることをオススメしますが、手軽さという意味ではダントツに便利な品です。

 

音質という点ではかなり癖があり、僕自身は好きではないのですが、ただノイズキャンセル機能としては非常に優れているのがBOSEの製品。

特に、以下のQuiet Comfort 35という機種は、やはり元になったモデルの発売から20年近くが経過していますがいまだに売れ続けている逸品です。

イヤホンタイプであれば、やはり先駆けとなったSONYの製品が機能的にも優れていておすすめ。

こちらのイヤホンもやはり、航空機用のアダプターは付属しませんのであわせて持っていくことをお忘れなく。

 

今回は、飛行機の機内における騒音の中で映画を観たり音楽を聞いたりしていると難聴になりかねない、というお話と、それを防ぐために遮音性の高いイヤホンやヘッドホンを使おう、というお話をお届けしてきました。

耳の健康というのはなかなか疎かにされがちですが、こうした普段気づかないところに難聴のきっかけというのは潜んでいるものなんです。

できるだけ長い間、高い音から低い音まで含めて音楽などを楽しんでいけるようにするためにも、耳の健康には気を使ってあげてくださいね。

 

 

次に読むのにオススメの記事

飛行機の中で眠る際には、イヤホンをそのまま付けているよりも耳栓に変えたほうが、疲れないですし眠りやすくなります。以下の記事で、オススメの耳栓をご紹介していますよ。

 

その他にも、機内で快適に過ごすために準備しておくと良いグッズはまだまだたくさんあります。

狭い機内でも上手にリラックスする方法と合わせて以下のページでご紹介していますので、ぜひご参照ください。

 

その他、海外旅行の準備に関する記事は以下のまとめページからご覧ください。