荏原町の【しなてつ】で深く複雑で香りも良いワンタン麺🍜を頂いてきました

2017年2月3日



こんにちは、ricebag(@ricebag2)です。

東急大井町線の荏原町駅にある「しなてつ」というらーめん店でワンタン麺を頂いてきましたのでレポートします!

あまりメディア露出の多いお店ではありませんし、話題にのぼることも少ないのですが、超有名店のDNAを受け継ぎつつもオリジナリティのあるとっても美味しいらーめんでしたよ。

 

 

しなてつの基本情報

しなてつの概要

東京でワンタン麺が評判のお店と聞くと、大抵のらーめん好きは「もしかしてあそこの系譜かな? 」とピンとくると思います。

そのお店が、京王井の頭線の浜田山駅近くにある「たんたん亭」というらーめん店。

たんたん亭は1977年創業の老舗なのですが、その創業者がなかなか変わった方で、ある程度お店を育てた後はその向かい側でおでん屋の経営を始め、さらにさぬきうどん店、再びおでん店(現存)と業態を変え続けます。

結局2007年には西荻窪に移って、現在に至るまで「支那そば いしはら」というらーめん店を運営。

このたんたん亭は、名前こそたんたんと付いていますが、ウリは担々麺ではなくワンタン麺

そのお弟子さんが城南・城西地域を中心に沢山のお店を出店されているんです。

 

中でも有名なのは、最近移転した池尻大橋の「八雲」。1999年の開店ながら未だに人気が高く、時間帯によっては長い行列を作っています。

らーめんランキング本でも上位常連のお店。開店が90年台で未だにこれだけの評価を得ているお店というのは、他に無いように思います。

 

もう一店舗、メディア露出の多いお店が目黒の「かづ屋」。1989年の開店。

かつてはダウンタウンの松本人志も通っていたお店。

お弟子さんの数も非常に多くて(すでに閉店したお店も多いのですが…)、たんたん亭系列の中でも「かづ屋出身」というのは一大勢力を形成しています

 

「しなてつ」は、そんなかづ屋出身者の中でもちょっと別格

かづ屋の二毛作営業として、かづ屋の店舗で独自のらーめんを提供したり、かづ屋の支店である五反田店(閉店)開業の際には店長を任されたりといった経歴を持つ方なんです。

そんな凄いお店なので、所用で荏原町を通りがかったタイミングを狙って訪問!

 

しなてつへのアクセス

東急大井町線の荏原町駅が最寄り駅。

大井町線は幾つかの東急線をつなぐ路線という位置付けなので、直接アクセスするのが難しいのですが、JRの大井町駅、三田線や南北線と直通運転している目黒線大岡山駅、あるいは東横線の自由が丘駅で乗り換えて向かいましょう。

各駅停車しか停まらない駅ですので、間違えて急行に乗ってしまわないようご注意を。

 

荏原町駅の改札を出ましたら、右方向へ進みます(改札は2つあります。自由が丘側からアクセスするときは少しだけ直進して突き当りを右に曲がり、線路を渡りましょう)。

商店街をふらふらと1~2分ほど歩いていると、左手にお店が見えてきます。

 

大井町線の駅の間隔は短いので、東急池上線の旗の台駅や都営地下鉄浅草線の中延駅からも歩けなくはありません。

特に、旗の台-荏原町間はちょっと商店街っぽくなっていますので歩いても楽しいですよ。

 

お店の雰囲気

カフェ風のオシャレな店構えに、オールバックがバッチリ決まった店主さん。

窓が比較的大きくて昼間は明るく、夜は照明を少し落として雰囲気のある感じになっています。

立地が良いのと雰囲気も良いので女性お一人でも入りやすい感じです

 

周辺は住宅街ですので、混雑する時間帯はちょっと遅め。

通常の夕飯時より遅れてラッシュがやってきます。

ですので、夜時間帯であれば早めの訪問が吉

 

メニューと価格帯、システム

たんたん亭系列は、ワンタン麺を頼むと余裕で1,000円超えというのがネックなのですが、こちらのお店はかなり良心的

通常の支那そば720円、塩ラーメン820円、担々麺920円、塩つけ麺が790円。

これをワンタンメンにすると200円増し、チャーシューメンにすると250円増しです。

その他各種トッピングが100円~200円、1.5玉の大盛りが100円、2玉になる特盛りが200円です。

また、平日ランチの時間帯は餃子+ライスや焼きワンタン+ライス、各種丼物を+200円で付けることができます。

休日は丼物のみの構成になって+200円。

やはり、住宅街にあると平日ランチの営業が厳しいんでしょうね。

 

入店したら座席に座って、メニューを見て注文。

会計は食べ終わった後に入口横のレジで、というシステムです。

今回は、ワンタンメンの特盛1,120円を注文しました!

 

 

ワンタンメン特盛

綺麗に麺線が整えられているのですが、特盛にしたので麺がスープからはみ出しちゃってます笑

たんたん亭系列はガラ物の丼を使うことが多いのですが、こちらは無地の丼。やはりスタイリッシュでオシャレですね。

 

スープ

香りをかいでみると、なんとも香ばしい匂い。

これはおそらく、香味油のネギ油ですかね。焦げ臭いとまではいかずに、でもちょっと焦がした感じの食欲をそそる香りが立ち込めます。

スープはちょっぴり濁りがあって、茶色っぽい色合い。

 

スープをすすると、うん。美味しい。

色んな旨味や香りや味わいが複雑に絡まり合っていて、そのどれもがお互いを高めあっている素晴らしい構成。

煮干しや昆布の旨味もしっかり感じますし、一方で鶏や豚のベースもドッシリ。

 

ザックリとした表現をするなら昔ながらの中華そばに近い方向性、ということになってしまうんでしょうけど、それも突き詰めればここまでのものになるのか、という印象。

一口すすれば香味油の香ばしさが鼻を抜け、様々な旨味で次々に殴られ。

全体のバランスとしては優しい味わいに仕上がっていますので、ホワっとして思わず「うまっ」とつぶやいてしまいます。

 

中細麺。

少なめに水を張った大きな鍋で、麺を泳がせながら茹でて平ざるで湯切りをしています。

このあたりもたんたん亭系列の手法を踏襲していますね。

 

しなやかでスルスルっとすすることが出来るのど越しの良い麺。

それでいて、やや柔めの麺肌からしっかりと弾力のある中心部へと、食感のグラデーションが美しい。

ともすればモッチモチになってしまいそうなタイプの麺なのに、噛めばしっかりサクッと切れる。

色んな面の良いとこ取りのような感じでとっても美味しい。

 

トッピング

チャーシュー、水菜、メンマ、ワンタン。

チャーシューは周囲を紅く染めた焼豚。ローストしてあるもので比較的しっかりとした歯ごたえなのですが、こちらも噛めばサクッと噛み切れる。

かづ屋譲りの美味しいチャーシューです。

 

やはり特筆すべきはワンタン。5個入っていました。

形はてるてる坊主型。皮はツルツルっとして柔らかい、ものすごくセクシーな皮。

それに対して、餡はかなりしっかりとした弾力のあるもの。

まずはツルンとした皮を楽しみ、軽く歯を入れただけだとググっと押し返しつつも、もう少し力を入れるとパツッと噛み切れる餡を楽しみ、そしてそれらが渾然一体となった状況を楽しむ。

これは他では食べることのできない、弾力系のワンタンとしてはトップクラスの逸品だと思います。

 

 

総評

スープも麺もワンタンもいずれもハイレベル。めっちゃ美味しい。

出身のかづ屋にしろたんたん亭にしろ、それだけでもすでに完成されたジャンルといいますか、良く出来たらーめんなのに、それをさらに昇華させたような素晴らしい品。

「関連店は一店舗しか載せない」というらーめんランキング本の暗黙のルールによって、八雲の影に隠れてしまっているような印象がありますが、こちらも間違いなく一級品です。

これだけのらーめんを並ばずに食べられるというのは本当に素晴らしい。

 

ただ、らーめんに詳しくない方が一口すすって「うゎっ! うまっ!!」となるかどうか、感動できる食体験を提供できるかというと難しいところ。

じんわり美味しい系なので、人によっては「普通のらーめん」と評価されてしまうこともありそう。

これだけ美味しいのにかづ屋系列があちこちで苦戦を強いられるのは、ニュートラルな目線で食べた人を感動させられるかどうか、というところにポイントがありそう。

 

いずれにしましても、弾力系のワンタンメンを求めている方には間違いなくオススメできるお店です。

ちょっとアクセスしづらいのが難点ですが、わざわざ訪問して食べるだけの価値があるお店だと思いますよ。

点数にするなら89点といったところでしょうか。

 

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