旅行にカメラは必要か ― 携帯で十分、撮らなくて良い派の方、ちょっと待って!
こんにちは、ricebag(@ricebag2)です。
旅行にカメラを持っていくべきかどうか。荷物になるし、携帯やスマホでも撮れるし。悩みどころですよね。
ただ、僕は旅行にいく際にカメラは絶対に必要だと思っています。
かつて、撮らなくても良い派から携帯で十分派を経て、カメラを持っていくべき派へとジョブチェンジしてきた僕が、旅行にカメラを持っていくべき理由をご紹介します!
写真なんか撮らなくても良い?
子供連れでない方、特に一人旅の方なんかだと、カメラが趣味でなければ、旅行中に写真を撮らなくても良い、と考えている方も多くいらっしゃると思います。
僕もかつてはそんな考えを持っていました。
まずは、何故そのような考え方があるのか、紐解いてみましょう。
カメラ不要論
カメラは荷物になる
これはまさにその通りです。カメラは、コンパクトカメラであっても数百グラムの重さがあります。ただでさえ少しでも荷物を軽くして身軽に旅行を楽しみたいのに、カメラという荷物を増やすのは、ちょっとうっとうしい。
まして、一眼レフになってくると、場合によっては専用のカメラバッグを持つ方までいらっしゃいます。
そこまでして写真を撮りたくもないし、という考えももっともです。
写真を撮るという行動が面倒
これも、かつて僕が思っていたことであり、写真をしっかりと撮るようになった今でも思うことがある点です。
ふらふらと歩きながらいろんなものを見て、観光を楽しんでいるのに、良いものを見つけたらわざわざカバンからカメラを取り出して、カメラを構えて撮影する。スマートではないですし、観光気分に浸っているところを邪魔してしまうような気もしますよね。
いろんなものを見て高まってきた気分が、そこで一度中断されてしまうというか。
これも、ごもっともなポイントだと思います。
旅行は「体験」であって、見た目だけ写真で写しても意味がない
これこそが、かつて僕が写真を撮らなかった最大の理由です。
わざわざ旅行に出て観光しているのは、その場所の空気感や周囲の音など、雰囲気を含めて「体験」するためであって、見た目を見に行っているだけではないということ。
見た目を見るだけなら、わざわざ自分で写真を撮りに行かなくても、写真集を見たり、Google mapのストリートビューで十分なわけですからね。
やはり、雰囲気も含めて観光をしている以上、見た目の写真だけを撮影しても意味が無いのではないか。
あとであの時の記憶を思い出そうと思っても、見た目だけの写真では「体験」まで思い出すことはできないのではないか。
むしろ、写真を撮るよりもその時の風景や雰囲気を記憶に焼き付けることのほうが重要であって、写真を撮るという行為は、その記憶への焼付の邪魔をしてしまう。
写真を撮ったという安心感で、風景などを忘れてしまったりしかねない。
これも、字面だけを読んでいる限りではもっともなことのように思えます。
カメラ必要論
ただ、写真を撮るようになってみると、これらのカメラが不要だという理由を上回る、必要な理由というのがあるような気がしてきます。
もちろん、カメラが邪魔だとか、写真を取るのが面倒だとか、そういった点に反論することはできません。わざわざカメラを持っていって写真を撮るメリットがある、ということです。
何を目的に写真を撮るのか
まず、カメラ不要論に対して反論するためには、写真を撮る目的をはっきりさせなければなりません。
ただ漠然と写真を撮るだけなら、僕自身もカメラは必要ないと思っています。ただ見たものの外観を写すだけなら、ガイドブックや写真集、ストリートビューで十分ですからね。
では、何のために写真を撮るのか。
僕は、写真を撮る目的はやはり、旅行の思い出を記録することだと思っています。
上にも書きましたが、写真は「体験」まで写すことはできません。
でも、そのときに見たものを見たままの状態で記録しておくことができます。
そして、デジタルカメラであれば、何時に写真を撮ったのか、ということまであわせて記録することができます。
僕は、比較的記憶力が良い方だと思っていました。ですので、写真を撮らなくても見たものはずっと覚えていられる、と思っていたんです。
でも、20代も後半になって、10年近く前の旅行を思い出そうとすると、やはり記憶が薄れてきていることに気づきました。
風景もさることながら、どんな順番でどんな行動をしたのかとか、そういった記憶まで薄れてしまっているんです。
かといって、それを思い出そうとしても何も記録がありませんから、思い出すこともできません。これは結構、もどかしい感覚です。
さらに、長い期間をあけて同じ場所を訪れてみると記憶と細かな部分が違っている、というようなこともありました。これはこれでまたもどかしいのです。
こうなってはじめて、記録することの重要性に気付きました。
写真をデジカメで撮ってあった旅行については、写真を見返すことでどんな行動をしていたのか記憶を呼び起こすことができますし、そのときにその場でどんなことがあったのか、どんなものを見たのか、写真に写っていないことの記憶まで蘇ってくるのです!
せっかくの旅行ですから、旅行期間中に全力で楽しむというのはもちろんのことですが、生涯に渡ってその体験を記憶として残していきたいものです。あぁ、あの時あんなところに行ってあんなものを見たなぁ、綺麗だったなぁ、と思い出すだけでも楽しいものですよ。
ということで、これまでに失ってしまった記憶を取り戻すことはできませんが、これから先は記憶を取り戻しやすくするために、旅行では写真を撮る、ということを決めたのです。
「体験」を記録することはできるのか
それなら、ストリートビューだけでも良いんじゃないか、と思われるかもしれません。
でも、違うんです。自分で撮った写真には、わずかながら「体験」が記録されるんです。
旅の思い出を記録する写真は、人に見せるために撮るものでもありますが、どちらかと言えばあとで自分で見返すためのものです。
そして、写真を取った本人であれば、写真を見ればどんなタイミングでどんな思いで撮ったのか、記憶が蘇ってきます。
もちろん、ただ適当に撮った写真ではそうは行きません。
構図をちょっと工夫したり、どこにピントを合わせるか迷ったり、ちょっとした「思考」をして撮った写真には、「体験」ごと記録されていくのです。
そうした写真を見れば、どうやって写真を撮ったのか、といったことが思い出されるでしょう。写真を撮ったその場面に、あなたを連れて行ってくれるのです。
そうなれば、周囲の雰囲気なんかもなんとなく思い出せますよね。
こうして、自分で工夫をしながら写真を撮影していくことで、旅行の体験を記録することができるんです。
某アニメの言葉を借りるなら、「写真は時代を超えて撮った人の想いを伝えてくれる」んです。
カメラを意識することで、見えなかったものが見えてくることも
写真を撮らない方であれば考えないような、「この場所でこの構図で撮ると写真映えしそうだな」とか、「この細かな模様の写真を撮っておこう」とか、そういった意識を生じることで、それまで見えなかったものが見えてくるようなこともあります。
道端の花しかり、建物の細かな装飾しかり。
自分の目で見る、という意識の他に、カメラのレンズを通すという意識を持つことで、もう1つの世界が見えてきます。
なんとなく、旅先で写真を撮ることの重要性をご理解いただけましたか?
では次に、スマホでなくてカメラを持つことの重要性を見ていきましょう。
sponsored link
写真はスマホで十分?
最近のスマホは画素数、レンズの質、露出の自動補正など、写真の画質に影響する部分の性能が格段に向上していて、10年前のコンパクトデジカメなんて追い抜かんばかりの勢いです。
ただ、やはりスマホだけでは撮影しきれない部分もあります。
見たものを見たまま写すのは意外と難しい
旅先で撮影する写真で重要なのは、やはり見たものを見たままに写すことだと思います。
ただ、見たものをそのままに写すというのは、なかなか難しいことなのです。
例えば、以前このブログにアップロードした以下の写真
これ、暗いレストランで撮影した写真なのですが、全体がものすごく赤みがかっていますよね。
これはカメラの設定を間違えただけなのですが、i-phoneなどで撮影すると、やはりこんな写真にしかならないと思います。
でも、レストランで実際にこの料理を見ると、お皿はしっかりと白く、右側のエビは赤く、左側のステーキはグレーに見えるはずなんです。
やはり、こうした色合いをしっかり残すことができなければ、見たものを見たままに写しているとは言えないと思います。
きちんと色合いまで残してはじめて、「あ、こんな写真撮ったな、あのときはこんなことがあって…」と思い出していくことができますよね。
色合いが大きく違っていると、例えば10年後に見たとして、「あれ、こんな写真撮ったっけ?」となりかねません。
もちろん、良いカメラを使っても設定をミスしてしまえばこんな変な写真になってしまうのですが、最近の「高級コンパクトカメラ」というジャンルでは、こうした補正を自動で完ぺきにこなしてくれるカメラもあるんです。
旅行に持っていくにはどんなカメラが良いのか
では、旅行に持っていくならどんなカメラが良いのでしょうか。
荷物にならないことが大事な方
やはり、旅行は身軽にして楽しみたいもの。カメラもコンパクトだと、ポケットやカバンからササっと取り出して撮影ができますし、機動力が上がります。
最近はコンパクトなデジカメであっても、スマホを圧倒的に上回る超高画質で撮影できる「高級コンパクトカメラ」というジャンルがあります。
こうしたカメラは、10万円前後のクラスのものであれば、安い一眼レフを上回る画質で撮影できるものもあるのですが、さすがにそれは高すぎるとお思いでしょう。
やはり、旅先でパパっと撮るためにはポケットから素早く取り出して、ボタンを押せば簡単に露出の補正など面倒な設定を自動でやってくれて、綺麗に見たまんまを写すことができるカメラが理想。
こんな理想に最も近いのが、ソニーのRX100というカメラです。
このカメラであれば、そこら辺のレンズ交換式ミラーレスよりも綺麗に撮影することができますし、設定もオートで非常によく合います。ズームもできますから、遠くのものを写したいときにも安心。
そして、動画もかなりきれいに撮ることができるんです。
こんななんでも詰め込んだカメラでありながら、発売から結構経過していることもあって4万円前後で購入可能。
その後、RX100 M2, M3, M4, M5と新しいバージョンも出ていますが、実はこれは細かな機能の違いで、すべて並行して製造中。未だに初代RX100も作られているんです。
型番が上がるとどんどん値段も上がり、M5では10万円前後です。普通の使い方では初代で十分ですし、予算的にもコストパフォーマンス的にもこれがベストだと思います。型番が上がるとちょっと大きくなって、ポケットに入り切らなくなってきますしね。
「高級コンパクトカメラのベストセラー」、店頭などで是非試してみてください。ただシャッターを押してみるだけで、驚くほど綺麗な写真が撮れますよ。
とにかく綺麗に撮りたい方
サイズを無視して良い、ということであれば、一眼レフ以外に選択肢はないでしょう。
一眼レフカメラにも、入門からプロ用まで、性能や価格がピンからキリまであります。
はじめて一眼レフカメラを持つ方であれば、初心者向けとされるエントリークラスを買うのが良いと思います。
持ってみて、やっぱり意外と重かったとか、思い通りに操作できない、といったときにダメージが少ないですからね。
それに、はじめての一眼レフであれば、エントリークラスでも感動できるほどの写真を撮ることができますよ。
エントリークラスであれば、canon、Nikonのどちらでも問題ないと思います。
個人的に扱いやすいと思うのは、canonの方。あとは、操作感の違いとか好みの問題になってきますので、家電量販店などで実際に手に持って比べてみるのがおすすめです。
ちなみに、僕はPENTAXの入門機を使っているのですが、これはすでに廃盤。次の世代は値段が高いので、はじめての方にはあまりオススメできません。
今回は、旅行にカメラが必要かどうかということを、個人的な主観たっぷりにお届けしてまいりました。
旅行中に写真は撮らない派の方も、スマホで十分派の方も、是非一度良いカメラを持って旅に出てみてください。
僕の言っていることがわかって頂けるのではないかと思います。
お近くに良いカメラをお持ちの方がいらっしゃれば、それを借りて試すというのがベストですが、無い場合には買ってしまっても損はしないと思いますよ!
カメラを買うお金なんて無い! という方
カメラを旅行期間中レンタルして、帰国してから返却するとフォトブックにしてくれるという、おトクで便利なサービスもあります。
「いい旅日記」というサービスだと、7万円もするような高級ミラーレスカメラを8日間もレンタルして、フォトブックも作ってくれるのに12,500円。
コンパクトカメラであれば、もっと安いプランもあります。
フォトブックに入り切らなかったデータもDVDに記録して送ってくれます。
旅行でしかカメラを使わないという方は、カメラを買うともったいないですからこういったサービスを使うのもありなのではないかと思います。
様々なプランがありますので、公式サイトでチェックしてみてください。
次に読むのにオススメの記事
他の旅行準備に関するページは、以下のまとめページからご覧ください。
ディスカッション
コメント一覧
こんばんはー
うちは一眼レフなんですよねー
重いんで行楽でなかなか稼働しません。スマホ派だったけど小さいの買おうかな。昔のデジカメはあるけどスマホの方がいいぐらいなんで
うちは子供がいるんで被写体は子供になりますが、子供が好きな旅ボンって旅行記コミックがあるんですが「いのうえさん」って猿のぬいぐるみ連れて旅行行く編集者がいるんですよ。一人旅の被写体にするそうで。そういうのもいいですね。
ゆきこ様
コメントありがとうございます。
ここ数年で大分状況も変わってきまして、スマホも高級機はスペックがかなり高いので、カメラ性能が高いスマホをお持ちでしたら、それで十分かもしれません。
わずかな画質の差を求めるとなると、構図を工夫したり一枚一枚現像して露出・色調整をしたりといった作業も楽しむ、趣味的な世界になってしまいます。
実用的に優れているところがあるとすれば、ネックストラップでぶら下げておいて、電源ボタンを押せばすぐに立ち上がる機動力でしょうか。ポケットやカバンから取り出すスマホよりも機動力が高いので、「一瞬」を逃さずに済みますし、写真を撮るのが億劫ではなくなります。スマホを首からぶら下げておけば済む話ではあるんですけど、見た目的に何故かカメラは許されるけどスマホは許されないところがありますので。
被写体にぬいぐるみを使うのは、最近流行りですよね。ディズニーストアなんかは、ポーズを取った状態で固定できて、専用のカバン等のアイテムまであるぬいぐるみを展開していたりしますので。もとを辿ればフィギュアからやってきた文化のような気もしますが、いつの間にか市民権を得ています。