低価格で本格懐石料理を味わえる日本橋の【懐石料理 はし本】は八寸が美しくて美味しい!

2017年4月3日



こんにちは、ricebag(@ricebag2)です。

日本橋にある懐石料理店「はし本」に行ってきましたので、レポートしていきます。

税抜き8,800円のコースで、抹茶まで含めた懐石料理を堪能できるという比較的低価格なお店ながら、手の込んだ丁寧で美味しいお料理と、見た目の美しさでしっかりと満足させてくれる素晴らしいお店でした!

 

 

1. 懐石料理 はし本の基本情報

まずは、懐石料理はし本の概要やアクセス、メニュー、営業時間などをご紹介していきます。

 

1.1 懐石料理 はし本の概要

日本料理の中でも広く一般に知られているお店には、デパート等の惣菜屋さんとしても展開している「美濃吉」や「なだ万」などがありますが、良くも悪くも最も名前が通るのは「吉兆」ではないでしょうか。

大阪の本吉兆、京都の京都吉兆、東京の東京吉兆、神戸の神戸吉兆に加え、大問題を起こして破産した船場吉兆なども抱えていた日本料理の一大グループ。創業は1930年という老舗です。

それぞれの吉兆系列の本店は予算50,000円前後~という超高級料亭。なかなか庶民には手が出ないお店です。

 

今回ご紹介する懐石料理 はし本は、そんな吉兆グループのうち東京吉兆出身の店主さんによるお店。

東京吉兆といえば、会員の紹介を受けるかダイナースクラブの予約システムを使うか、というとっても高いハードルを超えないと入店することすらできない敷居の高いお店。

そんな東京吉兆に23年間努め、料理長も任されていたという方が開いたスゴいお店なんです。

 

凄まじい経歴をお持ちながら、昼夜ともに5,000円~という低価格で比較的敷居の低いお店を運営されているんです!

 

1.2 懐石料理 はし本へのアクセス

場所は日本橋のショッピング/レストランビル「コレド室町」の裏手。

最寄り駅は東京メトロ銀座線と半蔵門線の三越前駅

三越前駅の6番出口を出たら、右手に進みます。福徳神社の前を通り過ぎて最初の角を左へ。

最初の交差点を右に曲がり、少し進んだところの右手にお店があります。

ちょっとわかりにくい場所なのですが、日本橋や新日本橋、東京、神田、小伝馬町、人形町などの周辺各駅からも徒歩圏内です。

この価格帯とは思えないほどの立地の良さ。店構えもしっかりとした懐石料理店の雰囲気ですので、やや入りにくさはありますが、入店すれば店主さんに元気よく迎え入れて頂けます。

 

1.3 メニュー、営業時間、雰囲気

基本的にコース料理のみです。

ミニ懐石が税抜き5,000円

名物の八寸が付く特選懐石が税抜き8,800円

さらにグレードが高く、フルの懐石料理になるおまかせ懐石が税抜き13,500円~

といった価格設定。

やはり名物付きの特選懐石が断トツでおすすめですので、昼夜ともにドリンクを含む総額としては1万円~1.5万円といったところでしょうか。

しっかりとした懐石料理店で、この立地としてはあり得ないくらいに安い価格設定だと思います。

 

営業時間はお昼が11:30~14:00

夜が17:00~21:00

いずれも終わりの時間はラストオーダーを記載していますので、入店時間はお昼なら13:00くらいまでかと。

 

7席のカウンターと、6席の半個室×2。

半個室2つはつなげることができますので、12人程度のグループまで収容できます。

カウンターはオープンキッチンになっていて、低姿勢で丁寧かつ威勢のよい店主さんと会話を楽しみながら料理をいただける形になっています。

明るい雰囲気と、店内の和やかな空気もあって居心地の良いお店になっていますよ。

帰りには店主さんと奥様が表までお見送りに出てきてくださいます。

サーブも含めて、とにかく心配りの行き届いたサービスが魅力的。

 

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2. 特選懐石

それでは、いよいよ頂いたお料理をご紹介していきます!

 

2.1 ザーサイ

まずは飲み物をお願いすると、おつまみとしてザーサイが出てきます。

こちらのザーサイはなんと国産なんだとか。

浅めの浸かり具合ながら、ザーサイ特有の香りは控えめで、とっても上品。

コリコリシャクシャクとした歯ごたえと、ほんのりとした塩気、スッキリとしたザーサイの香りが気持ち良い一品です。

 

2.2 よもぎのごま豆腐

先付けはよもぎを使ったごま豆腐。

よもぎの香りは控えめで、ほんのりと香る程度。もっちもちのごま豆腐にわさびのアクセントが心地よいです。

これからのお料理に期待が高まります。

 

2.3 お椀

お椀はあさりを使った真丈と、竹の子、菜の花。お出汁はあさり+かつおだそうです。

真丈の中にはあさりの身がそのまま入っていて、ぷりぷりとした真丈に凝縮された旨味が加わって美味しい。

竹の子は軽く炙ったのか、蒸したのか。どういう処理をしたのかわからないのですが、エグみや臭みはまったくなく、竹の子の旨味と香ばしい香りだけが絶妙に引き出されていて絶品!

お出汁は上品な味わいながら、あさりの濃密な旨味が詰まっていてこれまた美味しい。

 

2.4 お造り

しまあじ、鯛、ほたて。

しまあじはぷりぷりコリコリと身の締まった感じが美味しい。

鯛は適度な弾力となめらかな舌触りが見事。

ホタテは柔らかく、甘みが強い。

特にしまあじの熟成度合いが見事でとっても美味しかったです!

 

2.5 赤飯

お祝い事だということをお伝えしておくと、サービスで少量のお赤飯を出してくださいます。

こちらのお赤飯は、なんと水を使わずにお酒だけで炊き上げたとのこと。

もっちりとしたもち米に、ふっくらと炊き上がったお豆。旨味の凝縮した赤飯に胡麻の香りがアクセントになって、素晴らしい一品でした。

 

2.6 八寸

名物の八寸です。9つに盛られた小品が美しい!

  • 左上がトマトと豆腐の味噌漬け。カプレーゼ風になっています。そら豆はお出汁で炊き上げたもの。
  • 上段中央は春の葉物5種のおひたし。適度な苦味と繊細なかつおだしが美味しかった!
  • 上段右はたこの桜煮。プリッとしていながらもスッと噛み切れる、絶妙の煮上がりでハンパじゃなく美味しいです。
  • 中段左は鴨ロース。黄色いペーストはお芋の甘いもの。フレンチでも鴨には甘いソースをあわせますが、それを和食風にアレンジした取り合わせが見事。
  • 中段中央は稚鮎。軽く焼いて揚げたもの。サクッと揚がっていて、ほろ苦さも絶妙です。
  • 中段右は失念してしまいました。煮こごりを使ったお料理です。
  • 下段左はあん肝。ボルト酒を使ってゼリー風に仕立ててあります。
  • 下段中央はホヤの酢味噌和え。ホヤ特有の臭みや癖は一切なく、ツルッとした舌触り、コリコリとした食感に酢味噌の味わいが合わさって美味。
  • 下段右はのれそれです。ツルンとした喉越しが最高! 今回の八寸の中で、個人的にはこれがベストでした。

とっても美しくて、味わいも素晴らしい。色んな味を一度に少しずつ楽しめるというのは最高の贅沢ですね。その分、手間もかかっていて大変そうです。

 

2.7 白魚の揚げもの

この特選懐石では、揚げ物または焼き物が一品付きます。今回は、白魚の揚げ物でした。

手前にあるししとうと比べて頂けるとおわかりの通り、とっても大きな白魚。

それを、もち米(だったと思います)を使った衣でサックリと揚げてあります。

おかきのようなサクサク感のある触感の衣の中に、ふわっと揚がった白魚。これ、滅茶苦茶美味しいです!

淡白な味わいながらも、それを補うしっかりとしていて食感も楽しい衣。これだけのサイズの白魚というのも珍しいですし、それがたっぷり5尾も盛られていて幸せ。

 

2.8 炊合せ

春若芋(長芋)、ぜんまい、ほうれん草、パプリカの炊き合わせです。

春若芋は、最初に歯を入れるとシャクッとしますが、次第に口の中でホロホロと崩れてほんのりととろみも残す、絶妙の炊き加減。

ゼンマイはゼンマイらしい香りも残しつつ、エグミはいっさいありません。

そして何より、彩りのパプリカというチョイスが面白いですし、甘みや香りもしっかり引き立てられていて美味しい。

目に美しく味も美味しい素晴らしい一品でした。

 

2.9 竹の子の丼

ご飯は2種類から選ぶことができます。

1つは定番の鯛茶漬け。こちらのお店のスペシャリテで、ゴマと生の鯛だけを使ったお料理です。

ごまの良い香り漂うお出汁の中に鯛のお刺身が入っていて、幸せになれる一品。

 

もう1つは季節のご飯。この日は竹の子を使った丼でした。

御飯の上に乗っていたのは、お出汁が絶妙に香る、ふわっふわでトロットロの卵。もうこれだけで幸せなのですが、さらに卵で竹の子が綴じてあります。

先ほどお椀の竹の子を頂いてあまりにも美味しかったので、ご飯も竹の子が入ったこちらにしてしまったのですが、こちらの竹の子もやはり甘みと香ばしさだけを引き出したもの。

それにお出汁香るふわとろ卵とふっくら炊き上げられたご飯が合わさって、美味しくないはずがありません!

 

香の物は48年もののぬか床で漬けたぬか漬け。きゅうりと大根で、あっさり目の浸かり具合。スッキリとしたとっても美味しいぬか漬けです。

赤出汁にはめかぶが入っていて、ちょっととろっとしてこちらも美味しい。

 

2.10 デザート

デザートはたいてい3種類から選べます。

定番なのは、寒天を使った生プリン。焼かずに寒天で固める、珍しい手法です。

輝くような美しい見た目に、ぷるんぷるんの仕上がり。

味わいはほろ苦さが目立っていて、大人向けのデザートになっています。

 

今回、他に注文できたのはフルーツのゼリー寄せとブランマンジェ。

僕はブランマンジェをいただきました。

プルプルのブランマンジェに、イチゴとキウイのソースが添えられています。

こちらも寒天のような感覚が強いのですが、ソースとあいまってなかなか美味しいです。

 

2.11 抹茶と小菓子

懐石料理ですので、最後に抹茶とお茶請けが出てきます。

抹茶の味はわかりかねますので置いておいて、お菓子は桜餅。シャキッとした桜の葉で包まれたできたてモッチリのお餅が見事。

ここまでいただくと、大満足ですね。

 

 

3. 総評

これは食べなきゃ損! というようなすさまじいインパクトのお料理は無いものの、いずれも半端じゃないクオリティ。

そんなしっかりとした懐石料理を、この場所で1万円を切る価格で頂けるのですから、コスパは素晴らしいです。

さらにサービスの質も高いので、満足できること間違い無し。

インパクトのある美味しすぎる料理を求めて行くお店ではなく、全体として室の高いお料理と接客などで特別感を演出し、素晴らしい食体験を提供してくださるお店です。

 

 

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