台湾・十分の主要観光地を一時間で全部回ってみた【十分の所要時間】 ― 台湾旅行記第19回
こんにちは、ricebag(@ricebag2)です。
台湾の十分といえば、
- ランタンに願い事を書いて空に飛ばす、時間帯によっては幻想的なアクティビティ
- 列車が線路沿いのお店の軒先ギリギリをかすめながら通っていく、アジアならではの光景
- 台湾のナイアガラともいわれる、十分瀑布という滝
といった見どころ満載の町。
一方で、アクセスできる電車が1時間に1本しかありませんので、観光地を1時間以内に回ることができなければ、必然的に2時間滞在することになってしまいます。
十分に行かれる方は、平渓線沿線を見て回ったり、九份とあわせて観光したり、という方が多いと思いますので、他の日程も考えるとできれば1時間出回ってしまいたいところ。
はたしてそれが可能なのかどうか、実際に言って試してきましたのでレポートしていきます!
列車が到着したら、急いで線路沿いの老街へ!
前回、十分へのアクセス方法と十分駅に到着するまでをご紹介しました。
十分の駅では、実は平渓線のすれ違いがあります。
平渓線は単線の路線(行きの列車と帰りの列車が同じ線路を走る路線)ですから、どこかで行きの列車と帰りの列車がすれ違う必要があるんです。
そのすれ違いをするのが十分の駅ですので、十分の駅に到着すると、必ず目の前に帰りの列車がいるはずです。
ということは、急いで線路沿いのお店のところまで行くことができれば、帰りの列車がお店の軒先スレスレをかすめていく様子を写真におさめることができるんです!
これができるかどうかが、1時間以内にすべてを見て回ることができるかどうかの肝となります。
なんとしても写真を撮ってしまいたいですので、列車が到着したらすぐに降りて、まずは通路を渡って向かい側のホームに向かいます。
そちらのホームに改札がありますので、ICカードで乗車した方はポストのようにして立っている、ICカード読み取り機にICカードをかざして外に出ましょう。
そのまま線路沿いに真っすぐ歩いていくと、線路の両脇にズラッとお店が並んでいます。
帰りの列車を写真におさめる場合、このお店が立ち並ぶ商店街が、坂を登り始めるちょっと手前が写真のベストポイントです。
しばしランタンあげを眺めてみる
あまりにも全力ダッシュをして来てしまったので、帰りの列車が発車するまでに結構時間がありました。
9時37分~13時37分の間に十分に到着される場合、待ち時間は8分ほどです。
その間、ちょっと余裕がありますのでその隙にランタンが空に上がる様子を眺めてしまいましょう! これで、ランタンと電車の両イベントをこなしてしまいます。
十分であげるランタンというのはこんな感じ。
高さが1 m以上あって、思ったよりデカい!
昼間だということと、中華圏らしいカラフルな色合いもあって、あまり幻想的な感じはしませんね。
さすがに、「塔の上のラプンツェル」の世界というのは言いすぎかと。あれのモデルはポーランドのお祭りですので。
ランタンに願い事を書き終わったら、皆さん線路沿いに出て写真撮影をします。撮影が終わったら、そのまま上空へ!
写真の両サイドにある天燈と付いているお店がランタンを販売しているお店。だいたい単色のものが150元(約600円)、カラフルな4色のものが200元(約800円)程度です。
色ごとに叶う願い事があるみたいですので、4色は欲張りさん用ですね。
このお値段で、願い事を書くための筆などを借りることができて、線路上で4面の写真も撮ってくれるようです。
僕は一人旅なので恥ずかしいということもあって、今回はランタンは揚げませんでした。
この後の急ぎっぷりを見て頂ければわかると思いますが、ランタンにしっかりと願い事を書き込んで揚げようと思うと、1時間以内に滝まで行って帰ってくるのは難しいと思います。
ところで、線路の脇にはこんな看板もありました。
これ、線路の上を通るなってことですよね。しかも、罰金が1,500元(約6,000円)~7,500元(約30,000円)と、結構重い。
今でこそ無法地帯のように線路上に商品を並べたりしていますけど、そのうち台湾がさらに発展してくると、こんな光景も見られなくなるのかもしれませんね。
日本も戦前~戦後すぐにかけてであれば、こんな光景もあったでしょうけれども、今では考えられないような状況です。
軒先スレスレをかすめる列車を見る!
こうして台湾の今後に思いを馳せていると、列車が駅を出てきました!
列車が動き出すと一勢に指示が出て、お店の方々がお客さんたちを線路から外に出していきます。
こうしてお店の方々が鉄道の運営に協力しているということは、やはり台鐵からこの地域に結構なプレッシャーがかかっているんでしょう。この光景が見られなくなってしまう可能性もあると思いますので、見てみたい方はぜひ今のうちに!
サーッと人がはけていって、いよいよ列車がやってきました!
列車は本当に軒先をかすめるように走っていきます!
お店からも人からもめっちゃ近い!
右サイドの方がよりスレスレ感が出てそうで悔しいです…。撮影のときは右サイドのほうがオススメかもです。
目の前を通るときは、この距離感です。
近っ!!
これ、撮影するときズームは使ってないんですよ。と言いますか、GR2というカメラを使っていまして、カメラにズームがついていないうえに、すべての写真が実際の目線より離れた位置から撮影したように見えちゃうカメラなんです。
それでもこの距離感ですよ。こんな間近で列車が通るのを見られることなんて、めったにありませんよ!
そして列車は走り去っていきました。
あ、ちなみにずっと「電車」ではなく「列車」と書いているんですが、これには意味があります。
この列車の上の方を見てください。パンタグラフや電線がありませんよね。これがないから線路の上から電線に引っかかることなくランタンを揚げられるのですが、それは置いておいて、この列車は電気ではなくディーゼルで走っています。
電気で走る列車が「電車」なので、ディーゼルで走る列車を電車と呼ぶのはおかしいんですよ。なので、「列車」です。どうでもいいですね。
急いで十分瀑布へ!
それでは、帰りに乗らなければならない列車の一本前が、今目の前を通過していったわけですから、これから1時間がタイムリミットです!
十分瀑布へは片道およそ2 kmの道のり。普通に歩いたら片道30分ですので、行って帰ってくるだけでギリギリです。
体力に自身のない方は、バイクの後部にまたがって連れて行ってもらうバイクタクシーや、通常のタクシーがあたりにたくさんいますので、それを使いましょう。
僕は気合と体力で何とかするタイプですので歩きました。
まずは、線路から右方向に離れていく道の方へと進みます。線路の左側を通る道からでも行くことはできるのですが、そちらはお店がほとんどなくて寂しいので右からのルートがオススメ。
ちょっと見えにくいですが、この車の後ろを道なりに右方向へと進みます。
そのまま道なりに商店街(老街)を抜けましょう。
車で来たときの老街の入口には、大きなランタンのオブジェがあります。やっぱりランタンの町なんですね。
そのままガシガシ進んでいきましょう。
ここで分かれ道がありますが、どちらからでも十分瀑布には行くことができます。
急いでいる場合には右方向が少し近道です。左から行くと、途中で吊り橋を渡ることができてちょっと面白いので、帰りに余裕があればそちらから帰ってくることにしましょう。
しばらく行くと、こんな感じの観光センターみたいなものがあります(写真は川の対岸から撮っています。こうしてみると廃墟っぽい…)。
タクシーで来る場合はここまで。バイクタクシーの場合は、先ほどの分かれ道を左方向に進んで吊橋のすぐ上まで連れて行ってくれます(タクシーの場合も、きちんと頼めばこちらに行ってくれるはず)。
この右脇を通り抜けて、少し坂を登りながらひたすら真っすぐ。
すると、十分瀑布公園の入口が見えてきました!
この通路を下ってひたすら道なりに進んでいくと、十分瀑布が見えてきましたよ。
ここまで、かなり早足で歩いて約20分。結構厳しいですね。アップダウンもありますので、体力に自身のない方なら30分以上かかってしまうと思います。
十分瀑布は色んな角度から見られますよ。
上から見た写真はなかなかの迫力ですね。かなり滝の近くまで寄ることができます。
あと、お決まりのシャッター時間を長くしたやつも撮影しておきますか。
なかなか幅が広くて、かなりダイナミックな滝です!
が、「台湾のナイアガラ」は流石に言いすぎかも。
アメリカ/カナダ国境の本家ナイアガラの滝ってこんなんですからね。
船で滝に近づくと、水しぶきがすごすぎてもはや何が何やら…(奥にうっすら滝が見えています)
ということで、ナイアガラに比べるとちょっとスケールが小さめではありますが、ものすごく間近で見ることができますし、周囲がしっかり整備されているということもあって、観光するにはなかなか良い滝ですよ。
上流はビックリするほど穏やか。
吊り橋ルートで急いで十分駅へ戻る!
すでに帰りの列車まで30分を切っていますので、急がないといけません。ですが、行き同じルートを通っても芸がありませんから、若干遠回りですが吊橋を通っていきましょう。
十分瀑布の上流付近には何店かお土産物屋さんや食事処がありまして、その脇を奥の方に進んでいくと、吊り橋の入り口があります。
この辺は炭鉱で栄えた地域でしたので、吊り橋の脇には石炭を運ぶトロッコが展示されています。
吊り橋は線路と並走。
しっかり整備されていてなかなかキレイです。まったく揺れませんので安心ですね。…と思っていたら、別のところに恐怖ポイントがありました。それは後ほど。
吊り橋からは、先程あげていたランタンたちの無残な姿が…
こういうのを見てしまうと、ご利益が無さそうに思えてくるから不思議。
吊り橋の土台のすぐ横で建造物を崩す工事をやっていたんですが、万が一手元がちょっとでも狂ったら…
怖っ!
人いるときにやらないでほしいですよね。さすが台湾。適当だ。
さてさて、帰る途中に人気のない道を通っていたら、こんなところで線路を渡ることもできました。
のどかで良い雰囲気ですね~。
そんなこんなで、十分駅近くまで戻ってきました。帰りの列車が発車する10分前!
1時間でなんとか見て回ることができましたよ。
ちょっと運動してお腹が空きましたので、串焼きを買い食いしてみます。韓国系のお店ですかね。
普通のものを食べても仕方ないので、ダチョウとイノシシ、雉のレバー、それと安パイで鹿を注文。
全部ガッツリカレー粉をふりかけてあったので、臭みはほとんどど感じません。ダチョウは意外と柔らかくて美味しい。イノシシは固め。雉は、お肉ならジビエとして高級食材なんですが、内臓はイマイチですね。固い。鹿はやっぱり柔らかく弾力のある赤身で美味しいです。
という感じで食も楽しみ、帰りの列車に乗り込みました。
列車の運転手さんもフリーダム!
列車は先頭付近に乗ってみました。ここには日本人の先客がいらっしゃったんですが、運転手さんが日本語を話せるみたいで、話し込んでいました。
出発しても喋り続けたまま。「ゆっくり走るから外見て!」みたいなことを言いながら、列車を徐行させます笑
さらには、「ここ踏むと警笛なるんだよ!」と言いながらお客さんにペダル踏ませたり。
もう日本では見られなくなった、サービス精神が旺盛すぎて行き過ぎちゃった感じの運転手さんで微笑ましい限りです。
こんな光景も、しばらくして台湾という国が経済的に、あるいは政治的に成長してしまったら見られなくなっていくんでしょうね。
そう考えると、今の日本が生き辛いような気がしてきますから不思議です。
結論: 十分は1時間で回ることができるけど、慌ただしい!
結果として、僕は十分を1時間で十分に(ダジャレじゃないですよ)満喫することができました。
ランタンが揚がるところを見て、列車が軒先スレスレを通るところを見て、さらに十分瀑布まで見ることができましたので。
ただし、瀑布でゆっくりする時間もありませんし、瀑布と駅との間の移動もかなりの早足。
とっても慌ただしい「弾丸観光」になってしまいました。
滝までの往復の移動にタクシーなどを利用すれば、滝周辺の公園散策+滝見物で40分位は取れると思います。
ただし、公園内は結構広くて、車が入れるギリギリのところから滝を見て吊り橋上の道路まで戻ってくると、それだけで1.2 km歩くことになります。
普通の大人で20分くらいといったところでしょうか。これでもまだちょっと慌ただしいですね。
自分でランタンに願い事を書いて揚げてみたい、という方は、1時間ですべてを見て回るのは厳しいと思います。
滝を諦めれば1時間で済みますが、あちらもせっかく十分まで行くのであれば、ぜひ見ておきたいポイント。
ゆっくり見て回るならもう一本帰りの電車を遅らせて2時間コースが良いのですが、今度はそれだと時間を持て余すと思います。
どうしても時間は効率的に、でも体力は使わずに見て回りたいなら、やはり車で連れて行ってもらえるオプショナルツアーがおすすめです。
JTBなら、九份観光とセットになっていて、一度は列車の中からも十分の町並みを楽しめるオプショナルツアーが用意されていますよ。日本から予約もできますし、日本語を話すガイドさんが付きます。そして何より、大手旅行会社なので当たりハズレもなく信頼できますよね。
ちなみに十分には無料のwi-fiがほぼありませんので、十分に向かうことを予定されている方は、あらかじめ日本でwi-fiルーターを借りていくのがオススメです。
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十分へご自身でアクセスされる場合は、以下の記事をご覧ください。
最安値の電車でアクセスする方法について、詳しくご紹介していますよ。
台湾旅行記の次の記事は、九份へのアクセス方法についてです。十分と違って電車すら通っていない九份。大人気の観光地なので、特に帰りは大変な混雑なのですが、できるだけ混雑を避けられてかつ経済的なルートを以下の記事でご紹介しています!
その他、台湾旅行の準備方法や手配・予約の方法、他の旅行記の記事などは、以下のまとめページからご覧ください。
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