飛行機の中でできるだけ仰向けに近い体勢を確保する方法 ― 狭いエコノミークラスで快適に過ごすために
こんにちは、ricebag(@ricebag2)です。
現地に到着したら、すぐに観光や仕事を始めたい、というときには飛行機の中での睡眠が重要ですよね。
特に、長時間に及ぶ長距離国際線のフライトでは、睡眠の質がそのまま時差ボケや疲れなどに影響してきますから、現地でのパフォーマンスにも直結してしまいます。
ぐっすり眠るためには、やはり体勢をできるだけフラットに近づけるのが一番。
でも、飛行機の座席のリクライニングには限界があります。
そこで、今回はできるだけフラットに近い体勢を取ることができるようにサポートをしてくれるグッズをご紹介していきいます!
狭い飛行機の中も工夫してできるだけフラットに近い体勢を取り、しっかり眠って体力を蓄え、現地ではしっかり観光を楽しみましょう!!
普段はうつ伏せで寝ているという方、机で突っ伏して寝るのが楽だという方には、飛行機の中で突っ伏して眠るための枕があります。以下の記事でご紹介していますよ。
また、椅子に座った体勢での睡眠をサポートしてくれるネックピローにも様々なものがあります。おすすめのタイプを以下の記事でご紹介しています。
フラットに近い体勢を得るための戦略
それでは、まずは仰向けでベッドに寝ているかのような、フラットに近い体勢を取るためにはどうすればよいのか考えていきましょう。
リクライニングには限界がある
航空会社としては、1つの航空機にできるだけ多くの乗客を乗せたいものです。
そうすれば、1度のフライトで多くの料金を徴収できるからです。
もちろん、お金をその分多く支払ってもらえれば、たくさんのスペースを使ってもらうこともできます。これが、プレミアムエコノミー、ビジネス、ファーストの各クラスですね。
エコノミーは、座席間隔は狭いものの料金が安いという仕様のシートです。
前後の座席の間隔が狭いですので、座席を大きくリクライニングできるようにすると、極端な話をすれば座席が後ろの乗客にぶつかってしまうんです。
そうならないように、座席を最大までリクライニングした状態でも、後ろに座っている方が出入りするだけのスペースを確保しなければなりません。
このため、リクライニングの角度には限界があるんです。
どんなにリクライニングの深い座席であったとしても、エコノミークラスでは30度が限界です。
一時期、ANAが積極的に採用していた「シェルタイプ」のシート(背もたれが倒れるのではなく、座面が前にスライドすることで擬似的にリクライニングする)に至っては10度傾けば良い方です。
ちなみに、ANAがこのシェルタイプのシートを採用したのが、僕が一切ANA系列に乗らなくなったきっかけでもあります。機体を軽量化するためにこのような座席を採用して、乗客の快適性は二の次にするという会社としての姿勢を感じて避けるようになったんです。
JALは逆に、シートの座面を薄くすることで、前の座席との感覚を広げようとするなど、乗客の快適性を重視する方向を打ち出していましたので、方針の決定的な差からJAL派に乗り換えたんです。
JALは、長距離国際線ではトイレ前に自由に取れるお菓子や飲み物を設置したり、一度再生してからは乗客目線でのサービスという点に重きをおいているように感じていまして、こういった点が好感触です。
結局、このような形での客離れが進んだためか、ANAはシェルタイプのシートを次々に通常タイプのリクライニングシートで置き換えていくこととなりました。
少し話が逸れてしまいましたが、リクライニングは直立の位置から20度くらいしか傾かない、と思っておいたほうが良いでしょう。
また話が少し逸れてしまいますが、実は通常、リクライニングの角度はこのように20度や30度などとは書きません。
直立の状態で、座面に対して背もたれの角度が90度になっていますので、そこから20度傾いた状態を110度、30度傾いた状態を120度などと書くんです。
ということで、これ以降この記事でもそのような表記を採用しましょう。
さて、みなさんが通常睡眠をとるベッドは、まっ平らですよね。これをリクライニングの角度に直すと180度です。
これに対して、飛行機の座席はリクライニングしても110度程度と、ベッドに対して70度も起き上がってしまっているんです。
これでは眠れないはずです。
どうすれば、この110度という数字を少しでも180度に近づけていくことができるのか、考えていきましょう。
自由が効くのは膝と腰の位置だけ
といっても、狭いスペースでできることはほとんどありません。
背もたれをこれ以上倒すことはできないわけですから、自分が前に動くくらいしか自由にできることは無いのです。
ところで、このような状態から
腰を前に出して頭は座席に漬けた状態を保つと
こうして擬似的にリクライニングをすることができます。
ただし、この状態では腰が浮いていてつらいですので、この腰の部分を埋めるような何かを用意すればよいわけです。
ということで、このような戦略を満たすクッションを探してみましょう!
ちなみに、このような戦略は先程も述べました「シェルタイプ」のシートでは取ることができません。そもそも、シートのリクライニング自体がこのような戦略のもとに行われていますので、リクライニングした時点で膝と前の座席との間隔がほとんどなくなってしまうのです。
ですので、そこから腰と膝を前に出してさらなるリクライニングを…ということはできなくなってしまいます。
飛行機の予約をされましたら、座席がどのようなタイプになっているか調べてみてください。
海外旅行や出張に慣れてきましたら、座席のタイプで飛行機を選ぶというのも一つの手ですよ。座席タイプは各航空会社のHPで公開されているはずです(会社によっては公開されていない場合もあります)。
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腰を前に出した状態で快適に過ごすために
椅子などで、ズルズル前に滑り落ちていって、結果的に上の図のようなリクライニングした姿勢になったことがある方も多いとは思いますが、この姿勢って案外キープするのが難しいですよね。
その要因は2つあります。
- 腰が座面や背もたれから浮いてしまっているので、腹筋や背筋でこれを支えている状態になる
- お尻や太ももが座面からはみ出してしまうので、これを足で突っ張ってさせる状態になる
この2点を解決するグッズを探せばよいわけです。
2つの問題点を同時に解決するクッションがある
じつは、この2点を同時に解決してくれるクッションがあるんです。
まずは、その商品の形状をご覧ください。
この商品、上部と下部に2つ、大きめのクッションがありますよね。
これ、そのまま座面に置くだけで良いんです。
そうすると、お尻の後ろに1つの大きなクッションが来ます。これが背もたれと腰との間に挟まって、腰を前にずらしてくれます。
もう1つの大きなクッションは、座面からはみ出して、椅子の前に出ます。これが、太ももと座面の間に挟まるので、太ももが前に出た状態でそのまま支えてくれるんです。
ということで、この商品を使えば、リクライニングの角度を通常より深くした状態で座ることができるんです!
しかも空気を入れて膨らませるタイプですので、普段持ち歩くときはしぼませておけば荷物になりません。
ただし、大きな欠点がありまして、この商品を置くと座面の上にビニール素材のものを置く形になってしまいますので、お尻が蒸れます。
ですので、お尻の下にはさらに、穴あきタイプのクッションを敷いたほうが良いです。
ただ、本来は腰に当てて使うものが多いですので、座面に敷いてしまうと圧力に耐えられずに空気漏れしてしまったりします。
座面にしくことを考えられた穴あきクッションが良いですよ。以下のような商品です。
これで、大分快適に眠ることができるのではないかと思います。
こちらも空気式ですので、持ち運びに困ることはないはず。
さらに腰を前に出すためには、空気を入れるタイプの枕を腰の後ろに追加してやると良いでしょう。
以下のタイプなら、姿勢を変えたいときにはネックピローにもなりますので便利ですよ。
足もできれば持ち上げよう
足も、そのまま床におろしていると、やはり仰向けの状態からは遠くなってしまいます。
飛行機用のフットレストが各種販売されていますので、1つ持っていっておくとだいぶ楽になりますよ。
ちなみに、飛行機用フットレストには2種類あります。
1つは、床の上におくタイプ。以下のような形です。
ただ、前の座席の下には荷物を置きたいことも多いかと思います。
さらに、できればもう少し足を持ち上げておきたい。
そんなときには、ハンモックタイプが便利です。
前の座席のテーブルに引っ掛けて使うものですので、足をブラブラさせてはいけないという注意点はありますが、これをふくらはぎにかけて足を斜めにキープできるようにするだけで、だいぶ楽になります。
ここまであわせ技で色々使えば、大分、体重が掛かる場所の分散もできて、体も伸びた状態になりますので、リラックスできるようになるのではないかと思います。
冷え性の方には、足のカバーが付いたフットレストも売られていますよ。
といった感じで、狭い機内でできるだけ体をまっすぐに伸ばすためのサポートアイテムをご紹介してきました。
これらのアイテムを使えば、ベッドの上で仰向けとまでは行きませんが、だいぶ飛行機の中での快適性が向上するのではないかと思います。
せっかくの旅行ですから、現地でベストのパフォーマンスを発揮できるよう、万全の準備をしておきましょう!
次に読むのにオススメの記事
ネックピローやスリッパ、耳栓など、準備しておくと機内で快適に過ごし、良く眠れるようになるグッズがまだまだたくさんあります。
狭い機内で上手にリラックスする方法と合わせて以下のページでご紹介していますので、ぜひご参照の上、とっても長い空の旅を快適に過ごしましょう!
ネックピローもあわせて使うと、首が疲れなくて楽に眠ることができます。色々あるネックピロー、どう選べばよいのかは以下の記事で解説しています。
その他、海外旅行の準備に関する記事は以下のまとめページからご覧ください。
ディスカッション
コメント一覧
昨今、足元周りのスペースを強調する流れがありますが、眠るためには背中の角度が重要なのは同意します。
貴殿の指摘のように一時期ANAはシェルタイプにし、その後戻してきた歴史があります。
一方、JALはシェルタイプにしてベストエコノミーの評価をもらっています。周りに聞いてもシートは意外と寝やすいという感想が多いです。先日導入された新型エアバス機はレッグレストも水平まで上がるため、カウチスタイルに近くなり、快適さが増すかもしれません。
個人の捉え方によってさまざまななのは当然ですが、シェルもいいのかもしれません。ちなみに私はANAのエコノミーは全く眠れません。
ななしさま
コメントをありがとうございます。
何分、古い記事なもので、情報が古い部分はご容赦ください。
JALのシェルタイプは、プレミアムエコノミーではないでしょうか?
やはり、シェルタイプにする場合は前後の座席間隔が重要になります。足元空間が広いほど、リクライニング角度を大きく取ることができますので。このため、プレミアムエコノミー以上でないと、十分なリラックス空間を確保できないと考えています。
ANAのエコノミーで眠れないのは同感です。リクライニング角度が重要なのは当然なのですが、やはりシートの座面形状やクッション性、弾力の配置なども眠り心地には影響してくるはずで、そのあたりの設計がJALの方が優れているように思います。
引き続き、当サイトをどうぞよろしくお願い申し上げます。
管理者: ricebag