ディズニー版ジョイポリス!? アトラクションをバーチャルに体験できる【ディズニー・クエスト】at ディズニー・スプリングス
こんにちは、ricebag(@ricebag2)です。
今回は、フロリダ州オーランドのウォルト・ディズニー・ワールド(以下WDW)内のショッピング施設、ディズニー・スプリングスにかつて存在していた屋内アミューズメント施設「ディズニー・クエスト」をご紹介していきます。
2017年7月2日に閉鎖されてしまった施設ですが、当初は先端技術を駆使してディズニーランドの有名アトラクションをバーチャルに体験できる施設として人気を博していました。
トイ・ストーリー・マニアの原型になったアトラクションもあったりして、かなり楽しい施設だったんです。
この記事では、ディズニー・クエストとは一体何だったのか、どんなアトラクションがあったのか、といったことをご紹介していきます。
1. ディズニー・クエストの基本情報
ディズニー・クエストは、1998年6月19日に当時のダウンタウンディズニー(現在のディズニー・スプリングス)にオープンした屋内アミューズメント施設です。
当時、市場拡大を目論んでいたディズニーパークスは、ディズニーパークを世界各地に作ることは採算的にも土地の余裕的にも無理があることから、既存のパークをハブとして、各地にサテライトのような小型パークを作ろうと考えていました。
そこで考案されたのが屋内型アミューズメント施設。
こうした屋内型アトラクションでディズニーパークの楽しさに触れてもらい、「いつかは本当のディズニーパークに行きたい」と思ってもらうための施設です。
世界各地に展開されるための実験施設として、WDW内に作られたのがディズニー・クエストでした。
実際に、1999年6月16日にはディズニー・クエスト2号店がシカゴにオープンします。
しかしながら何を思ったのか、治安の悪い地域に作ってしまった結果、客足が低迷。
わずか2年後の2001年9月4日にはシカゴ店を閉鎖してしまいます。
シカゴの失敗により、また、客がディズニーに求めることと、屋内型アミューズメント施設が提供できることとの間にミスマッチがあって、思ったような集客を図れなかったことにより、ディズニー・クエスト計画はあえなく中止になってしまいました。
その後も、ディズニーリゾート内にあるためか、比較的客足が好調だったWDW版ディズニー・クエストですが、技術の進歩とともにアトラクションが急速に、周囲の技術と比べて陳腐に感じられるようになってしまい、徐々に客足も低下。
結局2017年7月2日に、およそ19年の歴史に幕を下ろすこととなりました。
ちなみに、ディズニー・クエストがオープンした1998年6月といえば、すでに1994年の横浜ジョイポリスを皮切りに、東京(お台場)、新宿、新潟、福岡と各地にジョイポリスがオープンし、ナムコ・ナンジャタウンや鎌倉シネマワールドなど、日本各地に屋内アミューズメント施設がオープンしていました。
ネオジオワールドもつくばに始まり各地に展開しようとしていた時期ですし、屋外ですがナムコ・ワンダーエッグもあるという、日本はすでにアミューズメント施設大国だったのです。
つまり、ディズニー・クエストはこうした施設の完全なる後追いだったのです。ライドシステムも平凡なものが多く、アトラクションの更新を繰り返していたナムコやセガと比べると、技術的に劣ってすらいたと言えます。
そんな状況にあっても、なんだかんだで楽しめてしまうのがディズニーの凄さ。日本の幾つもの屋内アミューズメント施設を巡っていた僕も、2001年にはじめてディズニー・クエストを訪れた際にはやはり感動してしまいました。
今回は、2017年5月訪問時に乗ったアトラクションを中心にご紹介していきます。
2001年時点で存在して、2017年に消滅してしまっていたのは
- Hercules in the Underground(おそらくカリブの海賊に変更、3Dシアター形式)
- Ride the Comix(4Fと5F、後継なし 3Dバトル)
- Magic Mirror(おそらく音楽メーカーに変更、もとは自分の顔を画面上で変形するだけの筐体)
- Goofy Demolition, Whack A’ Alien(いずれも画面を使わないアーケードゲーム)
- Daytona USA(アーケード。実車があった?)
- Wonderland Cafe(カフェ)
あたりだと思われます。(当時のマップが手元に残っていなくて、リーフレットだけの情報ですので不正確な部分があるかもしれません)
ちなみに、ここは入場さえすればアトラクションは全て無料。そこらにおいてあるビデオゲームも無料でできるという、ゲーム好きにはたまらない施設でした。
ビデオゲーム筐体は、今となっては古いものばかりでしたけどね。
ちなみに施設閉鎖後、アーケードゲーム筐体はキャストにオークション形式で売り渡されたそうです。家には入らないけど羨ましい!
2. エイリアン・エンカウンター
入場すると、まずはエレベーターに乗って3階へと連れて行かれます。
以前はこのエレベーターにも仕掛けがあったような気がするのですが、今回は何もなし。
建物は5階建てになっていて、7つのライド型アトラクションと、東京ディズニーランドでもおなじみのアニメーションアカデミー、各種アーケードゲームなどがあります。
まずは一番上から攻めようということで、5階へ向かいます。
5階には軽食をいただけるFood Questと、Invasion! An Extra TERRORestrial Alien Encounterというアトラクションがあります。
このアトラクションは、かつてマジックキングダムに存在していたアトラクション「An Extra TERRORestrial Alien Encounter」をモチーフにしたもの。
このアトラクションは、到底ディズニーランドにあるとは思えない、驚くほどの不気味さと怖さで不評となり、Stitch’s Great Escapeへと改装されてしまいました。
こうして元アトラクションが消滅したにも関わらず、ディズニー・クエストにはアトラクションが残っているあたり、施設更新に対するやる気の無さが伺えます。
ちなみに元アトラクションの方のAlien Encounterは、上層部肝いりのアトラクションで、当初はアナハイムとマジックキングダムの両方に導入予定だったようなのです。だからディズニー・クエストにも導入されたんですね。
確かにアトラクションのシステムは素晴らしかったのですが、感覚がズレているような…。
さてさて、ディズニー・クエスト版のAlien Encounterは、オリジナルアトラクションの不気味さはどこへやら。爽快シューティングアトラクションになってしまっています。
二人一組でポッド型のライドに乗り込みます。円形のライド中央に外側を向いた座席があって、その周囲に映像が表示される形式。
1人がライドを操縦して行方不明者を救出、もう1人がライドがエイリアンに襲われてしまわないよう、銃を撃って撃退するという内容。
ニンテンドー64時代を彷彿とさせるショボいグラフィックと、いまいちゲーム性のないシステムが切なさを煽ります。
正直なところ、このアトラクションだけを体験したお客さんはガッカリしてしまうはず。
3. Mighy Ducks Pinball Slam
4階はアーケードだけなのでスルーして、3階へ。
まずはとっても目立つPinball Slamをプレイ!
このアトラクションは、12名(?)の同時対戦型。さびれたクエスト館内では対戦相手もいなくて、我々2人でのプレイとなりましたが…。
かつては人気もあって、待ち時間も発生していたんですよ。
さてさて、このアトラクションは、体を使って大画面上に表示される自分のボールを操作してピンボールをプレイ、高得点を競うゲームです。
前後左右に動かせるセグウェイから車輪を取り除いたような台に立って、体重を傾けてボールを操作します。
ピンボールではおなじみの、ワームホールや発射台のようなギミックもあり、上側にはゴールとゴールキーパーがいて得点を阻んでいます。
大人数でプレイすると、各プレイヤーのボール同士がぶつかったりして、さらに白熱して楽しいゲーム。
ただし、グラフィックはやはり時代を感じさせる64またはプレステクオリティなのが残念なところ。
同じ3Fには、「バズ・ライトイヤーのアストロブラスター(Buzz Lightyear’s Astro Blaster)」もありました。
本家はシューティングタイプのダークライドですが、こちらは車に乗ってボールを打ち合う形式。
かつて横浜ジョイポリスやお台場のメディアージュにもあった形式のアトラクションで、床に散らばったプラスチックボールの上を通過すると車がボールを吸い上げ、他のプレイヤーの車の上に設置されている的をめがけてボールを発射すると得点が入る仕組み。
面白いアトラクションなのですが、なぜこれをそのまま導入したのかは謎。
ちなみにこの日はシステムトラブルが発生していて、キャストさんも直す気はなさそうでしたので諦めました。
4. サイバースペースマウンテン
2階に降りてきました。このフロアのメインは、やはりコレ。Cyber Space Mountainです。
言わずと知れた、ディズニーランドの人気アトラクション。
このアトラクションではなんと、自分でコースを設計してそのコースターに乗ることができてしまうのです!
まずは、コースを登録するためのカードを受け取ってコース設計マシンへ。
こんな感じで、次々にエレメントを選択することで、ジャンプありワープありのカオスなコースを組み立てていきます。
出来上がったら、コースを登録したカードを持ってライド側へ。
ライドは前後左右に回転する、ゲームセンターに時々あるタイプのシミュレーションライド。
お姉さんにカードを渡すと、このコースは14回ひっくり返るけど良いか、と確認をされた上でライドへ。
ライドに乗り込むとスタート。酔ったときのために緊急停止ボタンも設置されています。
自分で作った恐怖のコースを、グルングルン回転しながらシミュレーションライドで体験していきます。
ドロップの感覚はないものの、ループなどの感覚はなかなかにリアル。
映像はやはり初代プレステレベルなのが残念ですが、それでも十二分に楽しめるアトラクションです。
他にもこのフロアには、Aladdin’s Magic Carpet Rideという、VRゴーグルをかぶってマジックカーペットに乗り、空を飛ぶシミュレーターがあったり(揺れはなくて映像だけ)、アニメーションアカデミーがあったりします。
アラジンの魔法のカーペットは、サイバースペースマウンテンで酔ったあとにVR酔いしたくなかったので回避。これもまた、映像がショボかったり操作性が悪かったりで残念な印象があります。
5. Pirates of the Caribbean: Battle for Buccaneer Gold
さてさて、1階まで降りてきてしまいました。
1階にある2つのアトラクションはとっても楽しいので、しっかりと押さえていきますよ。
まずは、カリブの海賊をベースにしたアトラクション、カリブの海賊: バッカニアゴールドの戦い(Pirates of the Caribbean: Battle for Buccaneer Gold)。
実はこのアトラクションこそ、トイ・ストーリー・マニアのベースとなったシステムを採用しているアトラクションなのです。
ライドこそ動きませんが、最大5人で1つの船に乗り込み、協力して敵の海賊船をどんどん砲撃して沈没させるゲーム。
1人は船の操縦を担当し、速度、進行方向をコントロールします。
残りの人々は大砲を使って、左右から迫りくる海賊船を砲撃します。
周囲は3D映像で、砲撃はヒモを引っ張って発射。まさにトイ・ストーリー・マニアそっくりですよね。
3D映像の幅が広い分、映像のクオリティを上げればトイ・ストーリー・マニアよりも面白くなるのではないかという出来栄え。
あちこち動き回りながら、体を使って敵を撃破していく、とっても楽しいゲームです。
最後に現れるボスを倒せるかどうかでクリアか否かが決まり、さらにそれとは別にスコアランキングもあります。
6. Virtual Jungle Cruise
お次はジャングルクルーズをベースにした、バーチャルジャングルクルーズ(Virtual Jungle Cruise)。
このアトラクションは、映像に合わせてライドが揺れるシミュレーションライドなのですが、それだけではありません。
なんと、自分でオールを使って漕いでいくのです。
ゴールが目的ではなく、どんな経路を進んだかを楽しみ、いろんな経路を回ってみよう! というタイプのゲーム。
ひたすら頑張って漕ぎ続け、漕ぎ方によっては経路も変わってきます。
こういったライドはかつてゲームセンターにもあったのですが、かなり激しく体を使うようになっていて、それだけで楽しいのに加えて、揺れもなかなかにリアル。
やはり映像のショボさは否めませんが、こちらも楽しいライドでした。
ちなみに、下はもちろん水ではありませんので、オールの先にはローラーが付いていて、それで地面を撫でるようにして動きます。
おそらく、オールで漕いでいることは感圧式のセンサーで検知しているものと思われます。
あとはショップに出て終了。
今はなきディズニー・クエストをご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。
1998年当時の最新技術を投入し、全体的に体を使った楽しいアトラクションに仕上げてきている印象です。
さすがにこれを全世界展開してビジネスとして成立させるというプランは無理があったように思いますが、WDWの一施設としてはとっても楽しいものでしたので、閉鎖されたのが惜しまれます。
次はNBAの施設ができるということなので、そちらに期待です。
7. 次に読むのにオススメの記事
ディズニー・スプリングス全体については、以下の記事をご参照ください。
この日は、ディズニー・スプリングスに加えてプールやエプコットなども回っています。
その日の様子や、どのアトラクションに何時に乗ればどれだけ回れるのかなど、以下の記事でまとめていますので、あわせてご覧ください。
その他、WDWに関するすべての記事は以下のページにまとめています。あわせてご覧ください。
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