23区内唯一の渓谷、等々力渓谷~二子玉川にかけては自然派・歴史派・ショッピング派も大満足の日帰りお手軽デートスポット!

2017年5月1日



こんにちは、ricebag(@ricebag2)です。

東急大井町線沿線の等々力駅からすぐのところに、23区内では唯一の渓谷「等々力渓谷」があります。

23区内とは思えないほどに自然溢れる環境で人気のスポット

さらに、近隣の公園には前方後円墳の遺跡が残っていたり、多摩川まで歩けば気持ちのよい川原の散歩ができたり。多摩川を遡れば日本最大のショッピングスポット二子玉川にも出ることができますから、この周辺で丸一日楽しむことができます!

今回は、そんな等々力渓谷~二子玉川にかけてのおすすめスポットをご紹介・レポートしていきます。

全行程を歩き通すと5 kmほどになります。1日かけてゆったり休みながらのデートに最適ですよ。

 

 

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1. 等々力渓谷

まずは、大井町線の等々力駅からスタートしていきます!

 

1.1 等々力渓谷の概要

等々力渓谷は、23区内唯一の渓谷。渓谷というのは、川の水によって川底が削られてできた谷間のことです。

等々力渓谷を流れている川は、谷沢川という川。世田谷区桜丘(小田急線の千歳船橋駅周辺です)の湧き水が水源で、用賀のあたりを通って等々力渓谷へとつながっています。

 

川自体はそれほど長くありませんし、もともとの水量も多くありません。

それでもこれだけ平らな関東平野に渓谷が形成されたのは、

  • 等々力周辺は湧き水が多く、このあたりだけ水量が増える
  • 関東ロームという富士山などの火山灰で作られた地層で、削れやすい
  • 関東平野の中では比較的高低差のある地域

 

といった事情がうまく重なったことが原因なのではないかと思います。

 

東京都指定名勝にもなっている等々力渓谷一帯は、深い谷底から緑がうっそうと生い茂っていて、とても23区内とは思えないほど静かで穏やか、そして涼し気な空間になっています。

 

1.2 等々力渓谷へのアクセス

東急大井町線の等々力駅から歩いて2分ほどです。等々力駅は急行通過駅ですのでご注意ください。各駅停車のみが停まります。

等々力駅は、改札が2つの線路に挟まれた位置にある独特な構造の駅。

改札を出たら左の踏切を渡りましょう。

 

すると、目の前に等々力渓谷への道順看板が出ています。

等々力渓谷への道順看板
等々力駅から等々力渓谷までの道順を示す看板です。まずはこの看板の奥方向へと進みましょう!

といってもそれほどややこしいことはありません。踏切を渡ったら右方向に進みます。

すると、斜め左前方にスーパー(成城石井)が見えるはず。成城石井の向かって左にある細い道に入れば、もう等々力渓谷の入り口はすぐそこです!

 

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1.3 等々力渓谷を散策

いよいよ等々力渓谷へと入っていきます!

入口のある「ゴルフ橋」からの眺めはこんな感じ。

等々力渓谷ゴルフ橋からの眺め
ゴルフ橋からの眺め。緑がうっそうとしています! これからこの下に降りて歩いていくと思うと気持ちが高ぶってきますね。

 

それでは、等々力渓谷入り口から入っていきます。

等々力渓谷入り口の看板
等々力渓谷入り口の看板。かなりしっかりとした看板で、キチンと整備されている感が出ています。

 

入り口は上流側ですが、すぐにゴルフ橋の下をくぐって下流側へ。

等々力渓谷のゴルフ橋
赤いアーチが特徴的なゴルフ橋。この下をくぐって散策スタートです!

 

このあたりはもともとゴルフ場があって、そのためにかけられた橋を再建したものなんだそうです。

だから「ゴルフ橋」なんですね。なんともシンプルなネーミング!

 

ここから先はしばらく、こんな感じのゆったりとした渓谷風景が続いていきます。

等々力渓谷の探勝路
探勝路からの眺め。こんな道が200 mほど続きます。

新緑の季節ということもあって、周囲はうっそうと生い茂る木々。

都会の喧騒の中にありながら、静かで気持ちのよい空間が広がっています。

23区内の、駅徒歩3分のところにこんな場所があるというのがスゴい!

 

藻が多いのか、水面はエメラルドグリーンでやや濁り気味。

等々力渓谷谷沢川の水面
谷沢川の水面。深いエメラルドグリーンで、濁っていて底までは見通しにくい状況です。水面はキレイに反射するほどに穏やか。

 

途中で廃墟っぽい建物を見たり

等々力渓谷脇の廃墟っぽい建物
渓谷脇に建つ廃墟っぽい建物。Googleマップでもこれが何なのかは特定できず…。

 

環八の下を通ったりしつつ

等々力渓谷環八下
環八の下。さすが東京の大動脈、橋がデカい! 日が当たらないのでここだけ砂漠状態。

 

下流へ向かっていきます。環八の脇には、渓谷から入れるピザ屋さんがあったり。

等々力渓谷環八脇のピザ屋さん
環八脇のピザ屋さん。右側に見える階段を登っていくとお店に入ることができます。

 

さらに進むと欄干のない橋が見えてきます。

等々力渓谷の欄干のない橋
欄干のない橋、と言いますかもはや渡し板状態。飛び石もあって、そちらを渡ることもできます。

もちろん奥にある橋を渡ってもOK。橋を渡ると公衆トイレと横穴式の古墳があります。

等々力渓谷の横穴式古墳
横穴式のお墓への案内板。1号から3号までありますが、現存するのは3号のみ。ほかは「跡」です。

横穴といえばお墓ですね。こんな感じで使われていたのだそう。

等々力渓谷の横穴墓の説明板
横穴墓の説明板。古墳時代から奈良時代にかけての有力な農民のお墓だそうです。

 

奥に見える穴から中を覗くことができます。

等々力渓谷3号横穴墓の内部
3号横穴墓の内部。近づくと中の電気が点灯する仕組みなので、反射して写真が撮りづらい!

古墳時代のお墓が完全な形で残っているってスゴいですよね。

等々力渓谷のあたりは、自然だけではなく歴史的な遺産も幾つかあります。このあとで訪問する野毛大塚古墳もスゴいですよ~。

 

さて、渓谷に戻って先に進んでいきます。

しばらく進むと、お稲荷さん

等々力渓谷のお稲荷さん
等々力渓谷のお稲荷さん。緑の中に突然現れる赤いのぼりが美しいです。

 

稚児大師像が見えてきます。

等々力渓谷の稚児大師像
稚児大師像。こちらは少し奥まったところにあり、静かな環境。

 

それぞれ、お稲荷さんの脇には不動の滝

等々力渓谷の不動の滝
不動の滝。滝に打たれることができるよう、2つの口からチョロチョロと水が落ちています。

 

お茶屋さん

等々力渓谷のお茶屋さん「雪月花」メニュー
お稲荷さん脇の「雪月花」というお茶屋さん。くずもちやあんみつなどの甘味を頂きつつ一休みできます。

 

稚児大師像の脇には湧き水汲み場がありました。

等々力渓谷の湧き水汲み場
湧き水汲み場。ポリタンクに水を汲んでいる方もいらっしゃいました。

空のペットボトルを持っていって、ここで水を汲んで一休みなんてのもオツですね。

 

さらに進むと、右手に日本庭園が見えてきます。

等々力渓谷の日本庭園
日本庭園の内部。急斜面に何とか作ってあるので、あまり日本庭園らしさはありませんが、書院があったりみかん畑があったり、竹林があったりといろいろ楽しめます。

もちろん入場無料

 

この先は、片側が開けて渓谷ではなくなってしまいます。

等々力渓谷の下流
日本庭園より下流の様子。右手に住宅街が広がりますので、一気に普通の川っぽくなってしまいます。

ですが、とりあえず渓谷沿いの道が途切れる突き当りまで進んでみます。

そこで橋を渡り、対岸を上流に向かって戻ってみましょう。すると、左手に「等々力不動尊児童公園」というだだっ広い広場が現れます。

等々力不動尊児童公園
等々力不動尊児童公園。児童公園と言っても遊具があるわけでもなく、真ん中にお地蔵様がいるだけのだだっ広い空間です。

このあたりには、お地蔵様

等々力不動尊児童公園のお地蔵様
お地蔵様。周囲はややあれた雰囲気ですが、ここだけはしっかりお手入れされています。

もありました。

等々力渓谷の祠
等々力不動尊児童公園脇の祠。赤い欄干のついた小さな橋が可愛らしいですね。

 

少し坂道を登っていくと、先ほどのお茶屋さんの裏手に出ます。

ここからさらに登ると、等々力不動尊があります。

等々力不動尊の裏手
等々力不動尊の裏手。立派な造りの建物です。

表にまわってみると、こんな感じ。

等々力不動尊の拝殿
等々力不動尊の拝殿。移設されていますが、江戸時代末期の建築だそうです。

真ん中には「鰐口」、いわゆるお寺のガラガラがあるのですが、その脇には揺すると風鈴のようなものがチリンチリンとなるものがぶら下がっていて、ときどき涼しげな音が聞こえてきて気持ち良いです。

脇にある舞台からの眺めも素晴らしい!

等々力不動尊の舞台からの眺め
等々力不動尊の舞台からの眺め。紅葉の時期はスゴい眺めになりそうです。

 

さてさて、等々力不動尊の目黒通り側の出口

等々力不動尊の目黒通り側の出口
目黒通り側の出口。灯籠が並ぶ参道もなかなか絵になります。

から出て、野毛大塚古墳へと向かってみましょう。

 

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2. 野毛大塚古墳

都指定史跡の野毛大塚古墳。実は、等々力渓谷に隣接しているんです。

 

2.1 野毛大塚古墳へのアクセスと概要

本当は等々力渓谷の日本庭園上から向かうのが近道なのですが、先に日本庭園を見てから等々力不動尊を回ってしまったので、少し遠回りして行くことにしました。

こちらのほうが道順はわかりやすいです。

 

まずは、目黒通りを等々力駅方面に進みます。

1,2分で巨大な交差点に出ると思います。これが環八との交差点。左に曲がりましょう。

先ほどの等々力渓谷上の橋、ピザ屋さんの横を通ってしばらく進みます。

すると、左手に公園が見えてくるはず。公園手前を左に曲がり、少し進むと右手に古墳が見えてきます。

 

日本庭園の上部からですと5分ほど、等々力不動尊からは10分ほどの距離です。

 

野毛大塚古墳は「帆立貝式古墳」とされていますが、わかり易い言葉で言うなら前方後円墳の一種。

帆立貝式としては日本有数の規模を誇る古墳なんだそうです。

そんなものが東京にあったとは。そして等々力渓谷の脇にあったとは。驚きです。

 

作られたのは5世紀前半。古墳時代のことです。

大和朝廷が日本を治めていた頃。仁徳天皇とかそのくらいの時代です。

出土品は世田谷区と東京国立博物館に収蔵されていて、いずれも部分的に重要文化財に指定されています。

そんな歴史的にも重要な古墳が普通の公園の中にあって、上に登れちゃうんです。

 

2.2 野毛大塚古墳を散策

それでは野毛大塚古墳を散策してみましょう。古墳の前には案内板が設置されていました。

野毛大塚古墳の案内板
野毛大塚古墳の案内板。作られた年代や出土品などの紹介がされています。

 

古墳の後円部はこんな感じ。

野毛大塚古墳の後円部
後円部。小高い丘のようにも見えますが、明らかに人造的な雰囲気が漂っています。

ここに登れるようになっていますので、早速登ってみましょう!

 

上から見下ろすと、たしかに前方部が見えます。

野毛大塚古墳の前方部
前方部。左側の大きいのが前方に当たるもので、右手にあるのは造出部。前方部と後円部を合わせれば、しっかり鍵穴型になっているのがわかります。教科書で習った通り!

以前は周囲に埴輪が置かれていたようなのですが、公園が併設されていて危ないので撤去されてしまったのでしょう。

 

前方部の頂上には、何が埋まっていたのかわかる案内がありました。

野毛大塚古墳後円部頂上
頂上にある、埋まっていたものを表示した絵。明治時代に発掘調査が行われて、出土品は博物館に収蔵されています。

 

公園には野球場やテニスコートまであります。

野毛公園のテニスコートと野球場
野毛公園のテニスコートと野球場。そこそこ大きな公園になっています。

 

周辺には簡単な運動やストレッチができる大人向けの器具と、子供向けの遊具がたくさん。

この日は藤棚が見事でした。

玉川野毛町公園の藤棚
藤棚がキレイ!

 

この公園からは5分ちょっと歩くと多摩川に出られますので、続いては多摩川の川原に向かってみましょう。

 

 

3. 多摩川の川原と二子玉川ライズ

野毛大塚古墳からは少し歩けば多摩川の川原に出られますし、そこから多摩川を遡れば10分弱で二子玉川エリアに出ます。

大自然や古墳時代の遺跡を巡ったあとは、最先端のショッピング施設へ向かって時代のギャップを味わうのも楽しいですよ。

 

3.1 多摩川の川原~二子玉川公園

野毛大塚古墳から多摩川の川原へは、やや道順がややこしいので、以下の地図をご参照ください(モバイル端末からご覧の方で、地図が表示されない場合はこちら)。

 

多摩堤通りは歩道がなくて、道を横断して河原に降りられる箇所も多くないのでご注意を。

 

多摩川の川原(このあたりは、多摩川遊園という名前がついています)はこんな感じの草むら脇を散策する気持ちのよいエリアです。

多摩川の川原の様子
多摩川の川原。写真中央にはなぜかライオンの置物が。

 

第三京浜の橋の下をくぐると、正面に二子玉川ライズが見えてきます。

多摩川の川原から二子玉川ライズ
多摩川の川原から二子玉川ライズを見た様子。自然溢れる風景の中に、異質な巨大ビル群。

 

ライズが近づいてくると、右手に土手の上にあがる階段が表れますので、そこを登って二子玉川公園に入ってみます。

 

ここはライズを含む二子玉川地域の再開発時に作られた、新しくてキレイな公園。

階段を登ったところにはスタバもあります。

 

二子玉川ライズよりの方に歩いていくと、日本庭園が見えてきます。

こちらもこの公園と同時に造成されたものですので、人口感が拭えませんが、池のほとりに建つ旧清水家住宅書院だけは本物。

1910年築と比較的新しい建物ですが、近代和風建築の特徴を反映した貴重な建物ということで、世田谷区の有形文化財に指定されています。

清水亭書院
旧清水亭書院。何度か移築されていて、外観はやはりやたらとキレイですが、有形文化財です。

 

庭園は子どもたちが水遊びをしていたり、和やかな雰囲気。

二子玉川公園内の日本庭園
二子玉川公園の日本庭園。浅い水辺では子どもたちが水遊びをしていたり、「日本庭園」という言葉からは想像できないほど和やかで穏やかな雰囲気。

 

二子玉川公園からは、二子玉川ライズを通り抜ければ二子玉川駅に行くことができます。

 

3.2 二子玉川ライズ

古墳時代の遺跡や自然散策を終えて、ようやく文明的な世界へと戻ってきました。

この二子玉川ライズは2010年から2015年にかけて順次開業した、かなり新しい複合商業施設。

線路を挟んだ向かい側にある玉川高島屋SCと合わせると、日本最大級のショッピング街です。2つのショッピング街全体の店舗数は、なんと約500!

正気を疑うくらいの店舗数です。

 

食事にショッピングに、丸一日潰せる規模のショッピング街。

中でも、本屋と家電店を融合した「蔦屋家電」や、ファッションブランドZARAのインテリア専門店など、ここにしか無いお店を見て回るのが楽しい!

 

食事は中で食べると大行列になっているか高くて美味しくないお店ばかりですので、

 

ショッピング街の外にあるお店で頂くのがオススメ。

SHUTTERS」というとろとろのスペアリブと、サクサクアツアツアップルパイが名物のお店の二子玉川店なんてオススメですよ。

レビューはやや辛口ですが、コスパがやや悪いだけで味は美味しいですし、雰囲気も良いのでデートに使いやすいお店です。

 

 

こんな感じで等々力駅から二子玉川駅まで歩き、

  • 等々力渓谷の自然と歴史
  • 野毛大塚古墳の歴史
  • 多摩川河川敷の自然
  • 二子玉川エリアのショッピング

 

と丸一日大満足のデートコースを満喫してきました。

 

ちょっと体力は必要ですが、古墳時代の歴史から自然、お買い物、食事まで楽しめる素晴らしいコースですので、ぜひ一度お試しを!

 

 

4. 次に読むのにオススメの記事

近隣の溝の口駅近くには、大きな公園があります。

こちらも弥生時代の遺跡が下に埋まっていたり、湿地から高台まで様々な自然を満喫できたりと、とっても良い公園です。

お近くの方はぜひ一度足を運んでみてください。詳しいレポートは以下の記事で。

 

その他、国内の観光地に関するレポートなどの記事は以下のページにまとめています。

ぜひあわせてご覧ください。