ディズニーらしい演出で名作映画の世界を堪能 ― ハリウッドスタジオのグレートムービーライド
1つ橋をくぐると、今度はシカゴの街並みが見えてきます。
これは「民衆の敵」という映画。
我々がこの映画のシーンを通過しようとすると、何やら窓から覗いているオーディオアニマトロニクスに声をかけられます。
しかも、目の前の信号は赤。ガイドさんは、「法律は守らないと、たとえ映画の中だとしてもね」とか言いつつ、律儀に信号を待ちます。
何やらきな臭い雰囲気だな、と思っていると、なんと脇の扉から役者まで登場!
突入してきた車と銃撃戦を繰り広げた後、ガイドさんに代わって、ギャングにライドが乗っ取られてしまいます。
ギャングは赤信号を打ち抜き、「これで進めるぜ、ハッハッハッ」と悪役らしいギャグをかまして先へと進みます。
ちなみに、ここでショーを見られるかどうかは5分5分。ここを通過してしまった場合は、「捜索者」のシーンでショーを見ることになります。
ここを抜けると、「荒野の用心棒」。
あのクリント・イーストウッドの銀幕デビュー作です。アメリカではなくイタリアで作られた、いわゆる「マカロニ・ウエスタン」で、黒澤明「用心棒」のオマージュ。
このライドでは、クリント・イーストウッドが酒屋の入り口に腕をかけて、何かを語りかけている様子がオーディオアニマトロニクスで再現されています。
続いてのシーンは「捜索者」。
アメリカ製作の西部劇です。
「民衆の敵」を通過した場合(ライド2台運用の場合、前にいるライドに乗車した場合)はこちらでショーを見ることになります。ショーの内容はほぼ一緒なのですが、ギャングではなく悪役カウボーイにライドを乗っ取られる点が異なります。
もちろん車の突入もなく、かわりに建物が大炎上。こちらは実際の火を使った演出ですので、かなり迫力があります。
今回訪問した日は、こちらのショーは運用していなかったので残念…。「民衆の敵」でショーを見た場合、ここではオーディオアニマトロニクス同士の打ち合いを見ながら通過することになります。あまりにも激しい打ち合いをしているので、ギャングもゲストたちに「伏せろ!」と指示をしてしまう状況(笑)。
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捜索者を通過すると、続いては「エイリアン」です。SFホラーの傑作ですね。
近未来の宇宙船の中をしばらく進んでいくと、何やら怯えきっているエレン(エイリアンの主人公)のオーディオアニマトロニクスが見えてきます。ギャングが声をかけようとしますが、まったく聞こえていない模様。
「気味が悪いから先を急ごう」と言って進もうとした矢先、何やら壁から動くものが覗いています。
さらに進むと、突然天井からエイリアンが顔を出します!
かなりホラーなシーンですので、この場面だけはお子様が泣いてしまうかも。ただ、よくよく見るとただ上下に動いているだけの、可愛い動きの人形ですのでご安心を。
続いて「レイダース失われた聖櫃」のシーンに出ます。
インディ・ジョーンズシリーズの第1作ですね。「大玉転がし」やプロペラ機を使ったアクションなど、数々の名シーンを生み出したことで知られます。が、今回はおどろおどろしいシーンが中心。
聖櫃を運び出そうとするインディたちを横目に、ヘビや骸骨などがうごめいています。
レイダースのシーンをしばらく進むと、大きなピラミッド状の祭壇が現れます。
その上には、何やら「ここのお宝を取ると命はないよ」的なことを言っている人物が。
ギャングはそんな忠告も無視して、祭壇を登っていき、お宝に手をかけてしまいます。
すると…
ギャングはいなくなってしまうのですが、ここにも実は2パターンの分岐があります。
1つは、祭壇の床が開いて落下してしまうパターン。こちらは「うぁ―っ」と声を上げながら落下していきます。
もう1つは、スモークが焚かれてギャングが一瞬で骸骨になってしまうパターン。これはギャングの前の壁が回転する扉になっていて、その表裏を反転させてギャング役の方は後ろへ、扉に張り付いている骸骨が表に出てくるトリック。
このどちらになるかは、おそらく役者さんのスキル次第なのではないかと思います。
落下の方は完全に「スタント」ですから、ある程度スタントの訓練をした方でないと対応できず、できない方の場合は「変わり身の術」になってしまうのかな、と。
…と思っていたのですが、落下の方は動画や口コミを探しても出てこない……。もしかして、僕の幻覚では(?)とすら疑い始めてきましたので、もしこちらのパターンをご覧になった方がいらっしゃいましたら、ぜひコメント等で教えてください!
ギャングがいなくなると、さきほど忠告をしていた人物がベールを脱いで降りてきます。
なんとこの人こそ、もともとのガイドさん!
生きていたんですね。ギャングに代わって、ガイド役に戻ってきてくれます。
ガイドさんが復活して最初の映画は、「類猿人ターザン」です。
類猿人ターザンの映画は1932年、1959年、1981年と3度作られていますが(ちなみに小説「類猿人ターザン」のシリーズを原作とした映画は48作あります)、これはおそらく1932年版。
象に乗ったジェーンが「ターザン、どこ?」と呼びかけているのに対し、ターザンはツタにぶら下がって「あ~っ↓あっ↑あ~っ→」とおなじみの掛け声(?)を発しながら飛び回っています。
自由すぎるターザンを微笑ましく眺めつつ、次のシーンへ。
続いてはラブロマンスの傑作「カサブランカ」。
プロペラ機の前で愛を語るハイライトシーンが再現されています。
「君の瞳に乾杯」というあの名台詞が生まれたシーンですね。
しっとりと染み入るように見てしまうシーンですので、ライドもゆっくりと通過していきます。
ここは演出がちょっとおもしろくて、実際に回転しているプロペラやオーディオアニマトロニクスの手前に、半透明のスクリーンが置かれています。おそらく、古い映画のぼやけた印象を出すためであり、しっとりとしたもの悲しい雰囲気を作り出すためでもあると思われます。
カサブランカの次は、ディズニーアニメの傑作「ファンタジア」。
唯一のミッキー登場シーンである、「魔法使いの弟子」のワンシーン、岸壁に打ち寄せる波をミッキーが魔法で操っている夢を見ているところの映像が流れています。
ファンタジアはアニメですので、波を思わせるパネルの中にスクリーンがあって、そこで映像を流しているだけ。
本家ディズニーの作品なのに、ちょっと扱いが寂しい感じです。
そしていよいよライドのハイライト、「オズの魔法使」のシーンに入ります。
たくさんの小人のオーディオアニマトロニクスたちが歌っている楽しげな空間。
ここでは2台のライドが同時にこのシーンを楽しむことになります。
さて、ライドが2台そろうと、突然悪い魔法使いが現れます。小人さんたちはみんな隠れてしまい、あたりはシーンと静まり返った状況。
魔法使いは「誰が私の姉を殺したんだ」と怒っていますが、「たまたまで仕方なかったのよ」などとガイドさんが伝えていると、「アッハッハッハッハッ」などと悪役らしい笑い方をしながら去っていきます。
ドロシーがオズの国へと飛ばされた直後の名シーンの再現ですね。ドロシー役をガイドさんが演じています。
魔法使いはやたらとよく動くオーディオアニマトロニクスで、つまり録音された音声と、生身のガイドさんとがやり取りをしているわけですが、会話のタイミングが驚くほどピッタリ!
普通、録音と会話をしようとすると、変にちょっとした間があいてしまって不自然になると思うのですが、それがまったくないのです。
この自然な会話はほんとうに驚き。ひたすらガイドさんがトレーニングを詰んだのか、なんらかのしかけがしてあるのかわかりませんが、これぞディズニー・マジック!
最後の部屋では、様々な映画のワンシーンがラブロマンス、コメディ、アクションなどのジャンルごとに登場する4分弱の映像を見ます。
名作映画や、もちろんディズニーのアニメーションなんかも登場してとっても楽しい映像!
ここまでの各場面では古典映画の名シーンを見てきたわけですが、その他にも映画の世界には想像力や様々な感情が詰まっていることを見せてくれて、映画の世界の凄まじい広さを感じさせてくれる素晴らしい映像です。
映像が終わると、ライドはもとの乗車位置まで戻ってきて、長かった22分間のツアーは終了!
ディズニーキャラクターはほとんど登場しませんが、滑らかかつ自然に動く、まるで人間のようなオーディオアニマトロニクスと生身の役者を使って再現された映画の名シーンは見応え十分。
特に、平面で映像として切り取ったものしか見られない映画に対して、それをちょっと引いた視点から、しかも様々な角度から見られるようにすることで、まるで映画の世界に入り込んだかのような感覚になるのが不思議。
ここにしかない、超大型でコストもかかっていて、ランニングコストも高いであろうアトラクション。いつなくなってもおかしくない部分もありますので、乗るならお早めに!
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3. 次に読むのにオススメの記事
このあとは2度めのタワー・オブ・テラーに乗ってから、美女と野獣ライブオンステージへと向かいました。
まるでブロードウェイ・ミュージカルのような、素晴らしい生歌と衣装、ダンスなどで繰り広げられる、超ハイクオリティなショー。このパークでは必見のショーの1つです。
詳細は以下の記事でご紹介していますよ。
WDW旅行2日目の詳細記事は、以下のページにまとめています。
この日のその後の行動などについても、そちらからご覧いただけます。
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