急加速+7回転で超ハード! 【インクレディブル・ハルク・コースター】at アイランズ・オブ・アドベンチャー

2017年9月5日



こんにちは、ricebag(@ricebag2)です。

今回は、フロリダ州オーランドのユニバーサル・オーランド・リゾート(以下UOR)2大パークの1つ、アイランズ・オブ・アドベンチャー(以下IOA)にあるコースタータイプのアトラクション「インクレディブル・ハルク・コースター(The Incredible Hulk Coaster)」についてご紹介していきます。

 

UORでもひときわ目立つ、緑色のコースター。

加速しながら坂を上りきったあとは、初っ端から山の頂上でひっくり返り、最後まで合計7回も天地が逆さまになるという、超ハードなコースレイアウト。

IOAでも人気の高いアトラクションです。

ちょっと古い部分もありますが、オーランドでしか体験できない特別仕様のコースターですので、是非お試しを!

この記事では、乗車レポートやコースターマニア目線からの分析、混雑状況、オススメの攻略法などをご紹介していきます。

 

オススメ度

 

  • 英語必要度 ★★☆☆☆ 英語はスタート時のアナウンスと、BGMの音楽のみ
  • 予習必要度 ★★☆☆☆ ハルクとは何か、くらいは知っておくと良いかも
  • オススメ度 ★★★★☆ 思いっきり体力を奪われるハードさですが、是非体験を

 

これに乗ったあとはヘロヘロになってしまうくらいにハードですが、IOA開園当時のユニバーサルとコースターメーカーの技術の粋を集めただけのことはある、ハイクオリティなコースターです。せっかくIOAを訪れたなら、一度は体験を!

 

 

インクレディブル・ハルク・コースターの評価

 

爽快感:      ★★★☆☆

振動の少なさ:   ★★★☆☆

スリル:      ★★★★☆

コースレイアウト: ★★★★☆

楽しさ:      ★★★★☆

総合得点:     75点

 

 

1. インクレディブル・ハルク・コースターの基本情報

まずは、インクレディブル・ハルク・コースターの概要や混雑状況など、基本的な情報をご紹介していきます。

コースターの乗車レポートはもう少し下で!

 

1.1 インクレディブル・ハルク・コースターの概要

インクレディブル・ハルク・コースターの入り口。右手の電子認証ロッカーに荷物を預けてから列に並びます。ちなみに、見えているコースはオーバーバンクターン(1回目)とコークスクリュー(1回目)。正面奥には垂直ループ(2回目)も見えています。

インクレディブル・ハルク・コースターは、IOAがオープンしたのと同時に、1999年にオープンしています。

1999年といえば、まだぶら下がり型コースター(インバーテッド・ループ・コースター)が全盛期を迎えていた頃です。

実際、IOAにも「デュエリング・ドラゴン(現ドラゴン・チャレンジ)」というぶら下がり型コースターも導入されています。

そんな中、「2つのコースターが呼応するように駆け抜ける」というギミックのあるデュエリング・ドラゴンに対して、インクレディブル・ハルクは最新のテクノロジーを投入したコースターとして作られました。

 

現在でこそキャメルバック型(通常のアップダウンを繰り返すコースター)も見直されていますが、当時はまだ「スリルといえば宙返り」の時代

インクレディブル・ハルクも激しめのループコースターとして企画されます。

ただし、当時はまだ複雑なループコースターでは主流ではなかった、通常のシットダウンタイプ(レールの上にライドがあって、座席に座るタイプ)のコースター。しかも横4席の構成です。

横4席×1列で1両にすることで、各車両の長さが短くなりますから、ぶら下がり型のように激しいループの多いレイアウトにも対応できるライドになるのです。

さらに横幅がありますので、両脇の座席はコースターが傾くたびに大きく振られるような動きになるという特徴もあります。

 

そして計画が始まった1993年当時は、まだ加速しながらスタートするタイプのコースターも主流ではなかった時代です。

現在では加速スタートのコースターにはリニアモーター(最近はリニア同期モーターが主流)を使うのが一般的ですが、1993年当時はまだ混沌としていた時代です。

1992年開業の、ディズニーランド・パリのスペースマウンテンは、強力なモーターで車両を引っ張り上げているだけです。

それ以前の、としまえんやナガシマスパーランド、横浜ドリームランドなどに設置された「シャトルループ」では、重い円盤を高速で回転させておいて、それにロープを引っ掛ける(性格にはクラッチをつなぐ)ことで加速させる「フライホイール・ロンチ」を採用していました。

1997年頃にはリニアモーター式も登場し、1998年の「ロックンローラー・コースター」でもリニアが採用されていますし、1999年頃には富士急ハイランドの「ドドンパ」でおなじみ圧縮空気方式も登場します。

 

そんな混沌とした時代、ユニバーサルは圧縮空気や水蒸気などの各種カタパルト、モーター巻き上げ方式などを検討した上で(リニアモーターという選択肢はなかったようです)、回転するタイヤで車両(から出ている板)を挟み込み加速させる方式を採用しました。

結果的にはこの方式は普及せず、日本ではかつてエプソン品川アクアスタジアムにあった「ギャラクシーエクスプレス999」や東京ジョイポリスの「撃音ライブコースター」でしか見ることはできません。

インクレディブル・ハルクでは32人乗りのライドを、30°の角度の坂を登りながら加速させるため、膨大なエネルギー(8 MW)を必要とします。

このため、タイヤにはフライホイールも接続されていて、ある種「フライホイール・ロンチ」と「タイヤ・ロンチ」のハイブリッド型のようになっているようです。

 

メーカーは「ハリウッド・ドリーム・ザ・ライド」などでもおなじみのB&M社製

1999年製なので滑らかさには欠けますが、それでも当時としては驚くほどなめらかな動きに仕上がっています。

 

ライドは横4人乗り×8両編成。

およそ1分15秒ほどの乗車ですが、コース途中にブロック・ブレーキ(万が一後続のライドが接近しても、ここで停止させることで衝突を防ぐブレーキ)が2箇所設置されていますので、およそ1分毎に車両は発車していきます。

1時間に1,920人、12時間で23,000人とコースターにしてはハケが良いです。もちろん、この倍近くの人を捌くビッグサンダー・マウンテンなどの化物級は無視して、という意味です。

 

2016年にはリファービッシュが行われ、車両とレールのいずれもが新しいものに取り替えられました。

キューラインや発射時のストーリーにも若干手が加えられて、車両には音楽が流れるよう変更が加えられています。

 

1.2 インクレディブル・ハルク・コースターの混雑状況とオススメ攻略法

インクレディブル・ハルクは、IOAでも2,3位を争う人気アトラクションです(1位はハリー・ポッター・アンド・ザ・フォービドゥン・ジャーニー)。

特にエントランスから近いという地理的な条件もあって、お昼前にはかなりの混雑になってきます。

日によって30分~60分は覚悟すべきでしょう。

 

比較的混雑が少ないのは午前中の早い時間ですが、この時間帯はハリー・ポッター群を回らなければならないので、少し大変かもしれません。

「両パークを1日でまわるためにはエクスプレス・パスが必要だった」と痛感する唯一のアトラクションだと思います。

シングルライダーもありますので、エクスプレス・パスを購入しない方は、それを活用するのも良いでしょう。

 

なお、エクスプレス・パスとスタンバイが合流したあとは、一列目希望者とそれ以外の方で列が分かれます。

ここの選択を間違えて一列目の列にならんでしまうと時間がかかってしまいますので、ご注意を。

 

 

2. インクレディブル・ハルク・コースターの乗車レポート

それではいよいよ、実際に乗車した際のレポートをお届けしていきます。

 

席についたらU字型のハーネスを降ろし、チェックが済んだら出発です。

ちょっと左に曲がった先に、上り坂が見えてきます。このレール上には大量の加速用タイヤがならんでいますので、壮観ですよ!

しばらくはゆっくりと坂を登ったあと、突然急加速を始めます。と言っても、2秒で64 km/hにしか達しませんので、加速度はそれほどでもありません。

 

加速が終わると山の頂上で左に180°ひねって天地逆さまになります。

山の頂上で、コースが180°ねじれています。なんと初っ端からひっくり返っちゃうんです!

空中でフワッと放り出されるようにひねるので、「ゼロGロール」と呼ばれているエレメントです。

ひねったあと、徐々にもう180°ひねりながらファーストドロップ。最初にひねりが入ってしまっていますので、このドロップは浮遊感が一切ありません。

 

落下しきると、今度は垂直ループを半分に切って、間にコークスクリューを入れたようなエレメントに突入します。

コブラロール。ぐいっと登って天地逆さまになったかと思いきや、ひねりが入ります。

コブラのような外観なので「コブラロール」と呼ばれています。

湖にせり出していますので、このコースターで最も目立つエレメント。

 

コブラロールを降りてきたら、今度はオーソドックスな垂直ループ。

これを超えると、霧が立ち込めるトンネルをくぐり抜けます。

発射台を取り囲むような水平ループを抜けたら、コークスクリュー(上下動のあるひねりループ)でキューラインのある建物をまたぎ、バックヤードへ。

もうこのあたりでヘロヘロになり始めます。

 

コークスクリューを超えると間髪あけずに2回めの垂直ループ。この後のブレーキゾーンを囲むようなループになっています。

さらに、ちょっとだけ頭が下向きになる「オーバーバンクループ」という水平ループを超えて、もう1つ水平ループを通過したら、先ほどの垂直ループの中を通ってブレーキゾーン。

 

ちょっとドロップしつつ、この後に通過する水平ループの真ん中を抜けて、すかさず2回めのコークスクリュー。

さらに水平ループを2回超えて、ようやく最後のブレーキゾーンに到着します。

 

これだけグルングルン回転していると、さすがに降りる頃にはヘトヘトに。

コースの途中にも、カーブがクッと曲がるような箇所が多くあって、細々と疲れさせるポイントが多いのです。

これはおそらく、湖、待ち列周辺、バックヤードとあちこち舞台を変え、しかもループの中を何度も通したり、といったかなり変態的なコースのレイアウトが影響しているのだと思いますが、それにしてもキツい。

B&M社製ですので、それほど揺れが激しいわけではないのですが、Gが変わり続けることによるダメージがシンドいのです。

 

しかしながら、発射台からふっとばされて、グルングルン回ってわけがわからなくなる感じはまさに「ハルク」のスピード感

ハルクになったかのような感覚を体験できるという意味では、まさにイメージ通りのコースターに仕上がっています。

オーランドにしかないアトラクションですので、コースター好きの方は是非体験を!

3. 次に読むのにオススメの記事

この日、このあとは歩いて回りつつショーを見るタイプのアトラクション【ポセイドン・フューリー】へと向かいました。

実写映像、ギリシャ神話をモチーフにしたファンタジーとどうにも嫌な予感のする要素が揃っていますが、実際に見てみるとさすがユニバーサルなだけあって、炎、水、光を使った演出が大迫力でスゴい!

詳しくは、以下の記事でご紹介しています。

 

この日は、わずか9時間しかオープンしていない中でUSFとIOAの両パークをまわりました。

様々なアトラクションの個別記事と、どんな時間にどのくらい回れば良いのかという指標を、以下の記事にまとめています。

 

今回のオーランド旅行に関するすべての記事は、以下のページにまとめています。